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マンション分譲に必要な来場者数は販売戸数に対して「6.7倍」

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業界用語では「歩留まり15%」

 マンションの販売現場を取材するとき、必ず資料請求(「反響」ともいう)の数とモデルルーム来場数を聞きます。これには、2つの目的があります。

 ひとつは、そのマンションの「評判」を知るためです。数が多いほど良いわけですが、広告を投下すればするほどその数は上がります。しかし、規模に対してあまりに膨大な宣伝費は最近では見かけませんので、よほどのことがない限りその点は気にしなくても良いでしょう。

 もうひとつは、「市況」を知るためです。事業主、立地、規模の3点からして「この数は多い、少ない」を感じ取り、マーケット(購入予備軍)の盛り上がり状況を把握します。3つの要素から、ある程度の予想を見積もることが出来なければ、困難な作業と言えるでしょう。

 現市況で、分譲マンションを売り切るのに必要なモデルルーム来場者数は「販売戸数に対して6.7倍」が妥当なラインです。業界では歩留まりという表現を使います。来場者のうち申込みに至る割合で(6.7倍は)約15%に相当します。

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実例検証:理想的な「パークコート文京小石川 ザ・タワー」

 2019年ヒット商品と題して取り上げた6物件を上記方程式に照らし合わせて検証します。

マンション名販売戸数(A)(A)×6.7来場者数(B)B/A(%)
パークコート文京小石川 ザ・タワー3842572.8 25006.5
プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン88589.6 110012.5
ザ・パークハウス アーバンス 渋谷31207.7 3019.7
ザ・パークハウス 恵比寿53355.1 55010.4
ザ・パークハウス 浅草36241.2 2186.1
ザ・パークハウス 和光市1581058.6 8025.1

 「パークコート文京小石川 ザ・タワー」は6.5倍で理想的な集客数だったと言えます。「ザ・パークハウス 浅草」も約6.1倍で効率的な販売活動だったようです。

人気立地は集客倍率が高まる傾向に

 事業主、立地、規模の3点から大まかな物件力を見極める、と前述しましたが「6.7倍(歩留まり:15%)」はとくに「立地」に左右されがちです。

 例えば、人気立地は集客数が膨らむ傾向にあります。「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」「ザ・パークハウス 恵比寿」「ザ・パークハウス アーバンス 渋谷」はまさにその典型。なかでも「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」は駅徒歩4分、複合開発という特性上、そして坪@900万円(手の届く人が限定)の設定から販売戸数に対して12倍以上もの来場が実績として残りました。

 上表でB/Aが最も低いのが「ザ・パークハウス 和光市」。地元(和光市)が半数、という結果からして「認知の広げ方(購入検討者に向けた集客方法)が効率的」で「接客も優れていた」といえそうです。


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