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「高輪ゲートウェイ」は住みたい街にランクインするか?

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30番目の駅、3/14開業

 いよいよJR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」駅が開業する。暫定開業が2020年3月14日(土)。本格開業は新駅周辺の再開発と合わせて2024年予定である。JR山手線の新駅は約50年ぶり。

 「高輪ゲートウェイ」駅は「品川」駅から0.9km付近、「田町」駅から1.3km付近に位置する。現在「品川」「田町」間は所要時間3分であるが、「高輪ゲートウェイ」駅ができることで「品川」駅と「田町」駅それぞれへの所用時間が2分ずつかかると思われるので、この間の経路はこれまでより1分延長されることになるだろう。

 JR山手線の駅は29から30に。一周の所要時間は64分から65分に。30の駅間のうち、25が所要時間2分。残り5つが3分である。ちなみにその5つは「池袋-目白」「原宿-渋谷」「恵比寿-目黒」「大崎-品川」「田町-浜松町」である。

規模は「六ヒル」並み

 新駅「高輪ゲートウェイ」の特徴は、周辺の広大な土地を再開発し、街づくりを同時に完成されることである。

 この事業は、都市再生特別措置法を活用し「都市再生特別地区(品川駅北周辺地区)都市計画」として2018年9月都市計画手続きが開始され、2019年4月都市計画決定された。2020年3月、着工予定である。

参考サイト:
JR東日本リリース「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について
内閣府リリース:東京圏 国家戦略特別区域 区域計画(案)

 資料によると「品川北周辺地区」都市計画の敷地面積は約72,000m2、延べ面積 約851,000m2(容積対象面積は約690,200m2)である。「六本木ヒルズ」と比較すると敷地面積では約93,400m2と劣るが、延床面積は約758,200m2で同クラスといえる。

 ちなみに住宅は、駅から最も離れた第一街区で合計約95,000㎡、約860戸の居住施設を整備する予定だ。このうち、国家戦略住宅整備事業として国際水準の居住施設を約33,000㎡、約200戸整備予定としている。単純に割ると、戸あたり面積は165m2である。

 オフィスや商業施設等大型複合施設となるようだが、「東京と国内外を結ぶサウスゲートにふさわしい交通結節点を形成」を上位概念とし「国際ビジネス交流拠点の顔」を目指す。

気になる「断層」

 開発事業の方針の1番目として「世界につながり、地域をつなぐ、エキマチ一体の都市基盤形成」とある。しかしながら、WEBサイト上で確認できる情報では、港南地域との連絡デッキは記載されていても、高輪地域側とのつながりは「泉岳寺」駅との地下連絡整備のみである。

 敷地内では「駅と街全体を一体的につなぐ交流空間の創出」として「品川駅・新駅・泉岳寺駅間をつなぐとともに、国道15号沿道の歩行者空間やオープンスペースの不足を補う、デッキレベルを中心とした広場・歩行者ネットワークの整備」とある。また、「芝浦港南地区や高輪地区など周辺地域とつながる基盤整備、鉄道用地等の上空を横断し、新駅と芝浦港南地区をつなぐ歩行者専用道(新駅東側連絡通路)の整備、三田・田町方面へとつながる歩行者ネットワークの整備、高輪地区からの玄関口となる広場の整備」とあるが、やはり高輪地域との連絡はあくまで「沿道の歩行者空間やオープンスペースを補う」であって、「芝浦港南地区へ」のような歩行者専用道の整備の記載はない。

 新駅の駅名募集は「1位 高輪、2位 芝浦、3位 芝浜」となり、「高輪ゲートウェイ」は賛否両論あったように当初見受けられた。しかし、此処のロケーションは「高輪大木戸」跡が今に残るように、江戸時代から西(大道:東海道)の玄関口として発展してきた場所であったことから、個人的にはこれほど相応しい名称はない、と思ったものだった。

 だが、都心の街づくりに関して、いまや単体の再開発だけで永続的な成長は見込めないのではないだろうか。国道15号線と線路に挟まれた印象が強い。そのような独立した場所に外国人が豊かなライフスタイルを築けると思うだろうか。まず隣接する地元との連携を図って、他にはない個性のある街を目指してほしいものだ。

 スーモ調べ「関東 住みたい街ランキング(駅)2019」によれば、JR山手線の駅は上位50位に以下の駅がランクインしている。数字は順位。

2 恵比寿(JR山手線)
5 新宿(JR山手線)
6 品川(JR山手線)
7 目黒(JR山手線)
11 池袋(JR山手線)
13 渋谷(JR山手線)
15 東京(JR山手線)
30 秋葉原(JR山手線)
36 上野(JR山手線)
50 有楽町(JR山手線)

 さて、新駅「高輪ゲートウェイ」はどの辺りに食い込んでくるだろう。広域または通勤の交通利便性でいえば「池袋」を抜きそうな気もするが、認知度は「渋谷」にはるか及ばないように思う。「秋葉原」とまではいわないが、やはり個性で立つことが欠かせないのではないか。国際都市だけでは六本木・麻布には敵わないだろう。大使館の数が向こうは圧倒しているから。

コンセプトムービー:TOKYO YARD PROJECT

参考サイト:「虎ノ門・麻布台プロジェクト」日本一のレジデンスが誕生


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