2019年着地予想は31,300戸
2019年12月19日、不動産経済研究所は首都圏マンション供給戸数「2019年着予想」と「2020年供給予測」を発表した。
2019年供給戸数は、31,300戸程度とした。昨年の2019年予測では年間37,000戸と発表していたことから、実際は15-16%少なかったことになる。販売の長期化に加え、大手デベロッパーは軒並みオフィスビル、仲介等の多事業の業績が堅調であることから、開発物件の分譲を急ぐ必要がないのではないか。インフレ期待も根強い。
2020年は30,000戸を割り込む可能性も!?
2020年供給戸数予測は、32,000戸となった。2019年着地予想(31,300戸)からすれば、2.2%増である。しかし、37,000戸という供給予測からみれば、31,300戸という数字は随分と減った感が否めないと思う。つまり、毎年下方修正を繰り返している供給戸数予測を前提に考慮すると2020年は30,000戸を割り込む可能性が十分にあるということだ。
新築マンション販売手法が変化
2020年のマンション市況は「東京五輪」までは現状と変わらないとみている。全体の契約率は低迷しているように見えるが、立地によっては「相当な高値でも完売」を成し遂げる。さらに、市場で目立ちはしないが「商品企画がはまり、高値とは言わないまでも相場高水準で早期完売」物件が散見されるマーケットが継続するだろう。
相当な高値でも完売した例はこちらの記事を参照
商品企画がはまり、相場高水準で早期完売した例はこちらの記事を参照
このように、市況はまだら模様である。今後は、新築マンションの売り方自体が個々によって変わってくるのではないかとみている。例えば、ある大手企業は完成済(=即入居可)であっても、決算期を過ぎての引き渡しを条件にしている現場がある。すでに到達見込みである利益の積み上げを回避したいからだ。販売期によって、売出価格設定を見直すデベも珍しくなくなった。
初期に値付けを決め、あらかじめ立てたスケジュールに従って販売活動を行うこれまでの売り方から、マクロとミクロの市場環境や自社業績の動向を鑑みながら販売価格や戸数を都度決めていくスタイルに移行し始めているといってもいいだろう(今のところすべてのデベがそうではない)。
<参考動画集>
最新のマンション市場動向を解説します→『市況を知りたい』