価格急騰に見えるが…
本日(2020年2月17日)、不動産経済研究所は2020年1月度「首都圏新築マンション市場動向調査」を発表した。それによれば、1月に発売された価格(単価)は@126.2万円で、前年同月比55.2%の大幅上昇を記録。下のグラフ、水色の折れ線グラフが「販売単価」だが、ご覧のように跳ね上がった格好となった。

しかしながら、これは首都圏全体での発売戸数が前年同月比で34.5%減少したのに対し、23区での供給は逆に同21.1%増えたため。単価の高い場所のシェアが高まったからである。ちなみに、2019年1月度の区部割合は31.9%、2020年1月度は同59.0%である。
初月契約率〇、在庫増だが完成在庫〇
初月契約率は、63.0%と近頃にしては悪くない数字であった。
在庫は販売済み(未完成含む)在庫戸数が2019年12月度「9,095戸」と9,000台に再び突入したが、2020年1月度は「8,688戸」に減少。完成在庫は2019年12月度「4,167戸」と落ち着いている。在庫に占める完成在庫の推移は以下の通り。
2019年6月:45.07%
2019年7月:45.95%
2019年8月:54.08%
2019年9月:52.36%
2019年10月:54.80%
2019年11月:55.57%
2019年12月:45.82%
工事進捗に拘らず
完成在庫比率は、半年前の水準に戻っており、初月契約率の低迷により市況低迷に向かっている状況とは言い難い。「時間を活用し、自然発生する需要に応じて(工事の進捗によらず)商品をあてがっている」状況が継続していると解釈したほうが良さそうだ。(データ出典はすべて不動産経済研究所)