2020年3月度、千葉県 「千葉市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-6.7%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・千葉県: 437件
・千葉市: 125件 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県: -7.4%ダウン
・千葉市: -6.7%ダウン
千葉市も下落。コロナウイルスによる市場の低迷が顕著にあらわれたといえそうだ。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降3か月連続で、前年同月比-22%~-51%を記録。相当な市場収縮が起きた。引き続き注視していきたい。
成約単価は、前年同月比4.7%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、千葉市は千葉県より穏やかな上昇率を継続している様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・千葉県:29.21 万円/m2
・千葉市:25.89 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県: 2.3%アップ
・千葉市: 4.7%アップ
千葉市においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できておらず、むしろ県平均より高い上昇率となった。コロナウイルスによる影響は件数に多大で、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から成約件数が前年同月比-22~-51%を記録したときでも、概ね-8%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後6か月程度、概ね-9%から-14%であった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。
在庫件数は、前年同月比-1.2%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。しかしこの2,3年で千葉市の増加が著しい。
なお、直近のデータは、
・千葉県: 3,855件
・千葉市: 982件 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県:-0.6%ダウン
・千葉市:-1.2%ダウン
コロナウイルスによる影響はまだ出ていないようだ。過去リーマンショック前後では最高132%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約47%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の千葉市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、神奈川県 横浜市をレポートする。