2020年3月度、千葉県 「常磐地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-1.0%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・千葉県: 437件
・常磐地区: 103件 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県: -7.4%ダウン
・常磐地区: -1.0%ダウン
常磐地区もわずかながら下げた。コロナウイルスによる市場の低迷が注目される中、まだ明確な影響は確認できない。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降2か月連続で前年同月比-7~-8%、その後は-32%を記録した。引き続き注視していきたい。

成約単価は、前年同月比-2.5%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、常磐地区は千葉県と同様の上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・千葉県:29.21 万円/m2
・常磐地区:28.73 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県: 2.3%アップ
・常磐地区: -2.5%ダウン
常磐地区は県全体に比べ、低下傾向にあるといえる数値だ。しかしながら、コロナウイルスによる影響か否かはまだ明確には確認できない。相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から成約件数が前年同月比-7~-32%を記録したときでも、概ね-1%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後6か月程度、概ね-4%から-16%であった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。

在庫件数は、前年同月比 6%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
なお、直近のデータは、
・千葉県: 3,855件
・常磐地区: 925件 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県:-0.6%ダウン
・常磐地区:6%アップ
県全体に比べると、明らかに増加傾向にあるといえる数値だ。しかしながら、コロナウイルスによる影響か否かはまだ断定できない。というのも、リーマンショック前後では最高128%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では66%もの増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。

下のグラフは、上記の常磐地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。

明日は、千葉県 千葉市をレポートする。