2020年3月度、千葉県の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-7.4%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、首都圏は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・首都圏:3,642件
・千葉県: 437件 となり、
これは昨年同月比では、
・首都圏:-11.5%ダウン
・千葉県: -7.4%ダウン
千葉県も下落。コロナウイルスによる市場の低迷が顕著にあらわれたといえるだろう。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月には前年同月比-32%、その後も3ヵ月連続で-14~-22%であった。今回も、それに匹敵もしくは上回るかもしれない。
成約単価は、前年同月比2.3%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、千葉県は首都圏よりかなり穏やかな上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・首都圏:54.05 万円/m2
・千葉県:29.21 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・首都圏: 0.2%アップ
・千葉県: 2.3%アップ
千葉県においては、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大で、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から成約件数が前年同月比-14~-32%を記録したときでも、概ね-12%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後5か月程度、概ね-7%から-10%であった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。
在庫件数は、前年同月比-0.6%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、首都圏は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
なお、直近のデータは、
・首都圏:46,192件
・千葉県: 3,855件 となり、
これは昨年同月比では、
・首都圏:-3.3%ダウン
・千葉県:-0.6%ダウン
コロナウイルスによる影響はまだ出ていないようだが、過去リーマンショック前後では最高126%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約40%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の千葉県中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、神奈川県をレポートする。