2020年3月度、首都圏の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-11.5%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。
なお、直近のデータは、
・首都圏:3,642 件
これは昨年同月比では、
・首都圏:-11.5%ダウン
首都圏全体では2桁減となった。コロナウイルスによって市場の低迷が始まったように見れる。ちなみに、東日本大震災のときは、2011年3月から3ヵ月連続で前年同月比-10~-19%を記録した。今回は、それに匹敵もしくは上回る可能性もある。
成約単価は、前年同月比0.2%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、首都圏は上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・首都圏:54.05 万円/m2
これは昨年同月比では、
・首都圏:0.2%アップ
首都圏においては、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大で、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から3ヵ月連続で成約件数が前年同月比-10~-19%を記録したときでも、概ね-5%以内の下落に留まった。しかしながら、リーマンショック(2008年9月)前後7か月程度は、概ね-6%から-9%を記録した。今回は、それに匹敵もしくは上回ることもあり得るとみている。
在庫件数は、前年同月比-3.3%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。ここ2,3年は首都圏の増加の傾向が続いている。
なお、直近のデータは、
・首都圏:46,192 件
これは昨年同月比では、
・首都圏:-3.3%ダウン
コロナウイルスによる影響はまだ出ていないようだが、リーマンショック前後では最高125%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約30%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の首都圏中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。在庫の増加が相場に与える影響を確認することが狙いだ。
次回は、東京都をレポートする。