2020年3月度、東京都「都心3区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-13.1%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・東京都:1,930件
・都心3区:212件 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-9.1%ダウン
・都心3区:-13.1%ダウン
都心3区が大幅に下げた。コロナウイルスによる市場の低迷が鮮明だ。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から3ヵ月連続で前年同月比-28~-30%を記録した。今回は、それを上回るかもしれない。
成約単価は、前年同月比-0.9%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、都心3区は東京都のトレンドを上回る上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・東京都:71.05 万円/m2
・都心3区:118.04 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-1.1%ダウン
・都心3区:-0.9%ダウン
都心3区においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大で、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から3ヵ月連続で成約件数が前年同月比-28~-30%を記録したときでも、概ね-11%以内の下落に留まった。しかしながら、リーマンショック(2008年9月)前後8か月程度は、概ね-12%から-24%を記録した。今回は、それに匹敵もしくは上回るかもしれない。
在庫件数は、前年同月比-9.4%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、ここ2,3年は都心3区の減少が著しい。
なお、直近のデータは、
・東京都:25,866件
・都心3区:3,411件 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-6.3%ダウン
・都心3区:-9.4%ダウン
都心3区は4か月連続減少した。コロナウイルスによる影響はまだ明確に確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高131%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では30%弱の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の都心3区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、東京都 城東地区をレポートする。