2020年4月度、東京都「城北地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
緊急事態宣言発令後、マーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -49.6%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。直近、4月度の数値が急減しているのがわかる。
昨年同月比で、
・東京都:-55.3%ダウン
・城北地区:-49.6%ダウン
と、大幅な減少となった。ちなみに首都圏は-52.6%ダウンである。
東日本大震災では、2011年3月から3ヵ月連続で前年同月比-8~-24%を記録したが、それら大きく上回るダウンである。
実数では、城北地区が134件。これは2008年1月以降、2008年8月「126件」に次いで低い値である。東京都全体では同期間において最低値を記録した。
成約単価は、前年同月比 -3.7%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
4月度のデータは、
・東京都:70.18 万円/m2
・城北地区:65.60万円/m2 となり、
昨年同月比では、
・東京都:-0.9%ダウン
・城北地区:-3.7%ダウン
東京都内でもっとも昨年同月比が減少した城北地区においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大であり、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から3ヵ月連続で成約件数が前年同月比-8~-20%を記録したときでも、概ね-10%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)直後は-15%、その後8か月は概ね-6%から-12%であった。
在庫件数は、前年同月比 -0.9%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
4月度のデータは、
・東京都:25,888件
・城北地区:4,086件 となり、
昨年同月比では、
・東京都:-4.9%ダウン
・城北地区:-0.9%ダウン
急減(前年同月比-49.6%)した成約件数に対し、新規登録件数は-13.1%であった。
城北地区は4か月連続で減少。ここでもコロナウイルスによる影響はまだ明確に確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高130%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では40%弱の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の城北地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、神奈川県 川崎市をレポートする。
参考サイト
城北地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
東京都 城北地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)