2020年4月度、東京都「城南地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比 -55.7%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。直近、4月度の数値が急減しているのがわかる。
これは昨年同月比では、
・東京都:-55.3%ダウン
・城南地区:-55.7%ダウン
3月時点で東京都内において唯一上昇していた城南地区であったが、大幅な減少となった。東日本大震災では、2011年3月から7ヵ月前年同月比-2~-22%を記録したが、それらを大きく上回るダウンである。
実数では、城南地区が149件。これは2008年1月以降、最低値を記録した2009年1月「146件」に次いで4番目に低い値である。東京都全体では同期間において最低値を記録した。
成約単価は、前年同月比 -2.0%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
4月のデータは、
・東京都:70.18万円/m2
・城南地区:78.37 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-0.9%ダウン
・城南地区:-2.0%ダウン
城南地区において、単価への影響(下落)は、成約件数ほどには出ていないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大で、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から7ヵ月連続で成約件数が前年同月比-2~-22%を記録したときでも、概ね-8%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後7か月程度は、概ね-10%から-14%であった。
在庫件数は、前年同月比 -8.5%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、ここ2年では少し差が出てきたようにも見て取れる。
4月のデータは、
・東京都:25,888件
・城南地区:4,624件 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-4.9%ダウン
・城南地区:-8.5%ダウン
急減(前年同月比-55.7%)した成約件数に対し、新規登録件数は-23.1%であった。
城南地区は3か月連続で減少。コロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高130%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では40%弱の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の城南地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の変化が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、東京都 城西地区をレポートする。
参考サイト
城南地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
東京都 城南地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)