2020年4月度、神奈川県「相模原市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
緊急事態宣言発令後、マーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -52.4%アップ
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。直近、4月度の数値が急減しているのがわかる。
昨年同月比では、
・神奈川県:-52.1%ダウン
・相模原市:-52.4%ダウン
と、大幅な減少となった。ちなみに首都圏は-52.6%ダウンである。
東日本大震災では、2011年3月に前年同月比-32%を記録したが、それら大きく上回るダウンである。
実数では、相模原市が20件。これは2009年4月以降、もっとも低い値である。神奈川県全体でも同期間において最低値を記録した。
成約単価は、前年同月比-31.8%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。相模原市は、大幅な下落となった。
4月度のデータは、
・神奈川県:41.86万円/m2
・相模原市:22.21万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-2.4%ダウン
・相模原市:-31.8%ダウン
首都圏全体において相模原市は、もっとも単価が下落。コロナウイルスは件数、単価ともに負の影響をもたらしていることが4月時点で明確である。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降成約件数が前年同月比-22〜-32%を記録したときでも、おおむね-8%以内の下落に留まった。今回は、すでに震災後の大不況を上回る落ち込みであり、今後の展開に注視したい。
ただし、絶対数が少ないため値が暴れやすく、単月では判断しきれない点も留意すべきであろう。
在庫件数は、前年同月比 14.0%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。しかし、この1年で相模原市の増加が著しい。
4月度のデータは、
・神奈川県:11,468件
・相模原市: 733件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:2.5%アップ
・相模原市:14.0%アップ
急減(前年同月比-52.4%)した成約件数に対し、新規登録件数は -5.4%であった。
3月に続き県全体に比べると、明らかな増加傾向にあるといえる数値だ。ちなみに、東日本大震災後は約19%の増加が記録されている。引き続き注視していきたい。
下のグラフは、上記の相模原市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあわせたもの。在庫件数の増加が相場に与える影響を継続的にチェックしていく。
参考サイト
神奈川県 相模原市 中古マンション築年数(2020年2月度)
神奈川県 相模原市 中古マンション市場動向(2020年3月度)