2020年5月度、千葉県 「総武地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
アフターコロナのマーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -43.6%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。5月度の数値も大幅に減少しているのがわかる。
5月度のデータは、
・千葉県:201件(4月は、204件)
・総武地区:66件(4月は、73件)
と、2008年1月以降、最低値を記録した。
これは昨年同月比で、
・千葉県:-39.5%ダウン(4月は、-52.7%ダウン)
・総武地区: -43.6%ダウン(4月は、-52.9%ダウン)
2か月連続で大幅な減少となった。ちなみに首都圏は-38.5%ダウン(4月は、-52.6%ダウン)である。
東日本大震災では、2011年3月に前年同月比-32%、その後も2ヵ月連続-29%を記録したが、前月(4月)に続きそれらを大きく上回るダウンである。

成約単価は、前年同月比 8.2%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
5月度のデータは、
・千葉県:25.38万円/m2
・総武地区:35.71 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県:-8.4%ダウン
・総武地区: 8.2%アップ
千葉県では、唯一昨年同月比がプラスに転じた。
総武地区において、前月(4月)は、昨年同月比 -17.7%の大幅なダウンを記録したが、今月は大幅に巻き返した。コロナウイルスによる影響は件数に多大であり、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに東日本大震災では、2011年3月から成約件数が前年同月比-29~-32%を記録したとき、おおむね-17%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後6か月程度、おおむね-8%から-22%であった。引き続き今後の展開に注視したい。

在庫件数は、前年同月比 1.4%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、千葉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
5月度のデータは、
・千葉県: 3,903件
・総武地区: 1,423件 となり、
これは昨年同月比では、
・千葉県:2.0%アップ
・総武地区:1.4%アップ
総武地区は4か月連続で減少。コロナウイルスによる影響はまだ出ていないようだが、過去リーマンショック前後では最高131%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約44%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。

下のグラフは、上記の総武地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。

次回は、千葉県 千葉市をレポートする。
参考サイト
千葉県 総武地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
千葉県 総武地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
千葉県 総武地区 中古マンション市場動向(2020年4月度)