2020年6月度、神奈川県「横浜市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
緊急事態宣言解除後のマーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -17.9%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。
6月度のデータは、
・神奈川県:748件(5月: 407件、4月:390件)
・横浜市:376件(5月: 172件、4月:185件)となり、
これは昨年同月比で、
・神奈川県:-15.2%ダウン(5月:-40.2%ダウン、4月: -52.1%ダウン)
・横浜市:-17.9%ダウン(5月:-47.7%ダウン、4月:-56.0%ダウン)
4 か月連続で昨年同月を大幅に下回ったが、減少率は前月(5月)、前々月( 4月)と比較するとかなり縮小している。ちなみに首都圏は-11.0%ダウン(5月は、-38.5%ダウン)である。
首都圏全体でみると、川崎市(-22.1%)、都心3区(-21.1%)に次いで減少率が高かった。

成約単価は、前年同月比 2.7%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
6月度のデータは、
・神奈川県:43.87万円/m2
・横浜市:46.35万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:0.8%アップ
・横浜市:2.7%アップ
横浜市においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)はまだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に大きく、相場への影響は今後継続的な注視を要する。

在庫件数は、前年同月比 5.2%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。
6月度のデータは、
・神奈川県:11,435件
・横浜市:5,950件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:1.9%アップ
・横浜市:5.2%アップ
県全体に比べると、増加傾向にあるといえる数値だ。しかしながら、コロナウイルスによる影響か否かはまだ断定できない。というのも、リーマンショック前後では最高117%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約33%の増加が記録されている。引き続き注視していきたい。

下のグラフは、上記の横浜市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。

次回は、埼玉県 さいたま市をレポートする。
参考サイト
神奈川県 横浜市 中古マンション築年数(2020年2月度)
神奈川県 横浜市 中古マンション市場動向(2020年3月度)
神奈川県 横浜市 中古マンション市場動向(2020年4月度)
神奈川県 横浜市 中古マンション市場動向(2020年5月度)