2020年7月度、東京都「城北地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
コロナ禍のマーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -14.7%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。
7月度のデータは、
・東京都:1,682件(6月:1,615件、5月: 882件、4月:812件)
・城北地区:214件(6月:233件、5月: 102件、4月:134件) となり、
これは昨年同月比で、
・東京都:-3.7%ダウン(6月:-10.7%ダウン、:5月: -37.6%ダウン、4月: -55.3%ダウン)
・城北地区:-14.7%ダウン(6月:-11.4%ダウン、5月: -54.1%ダウン、4月: -49.6%ダウン)
5か月連続で昨年同月を下回った。減少率は4月~5月と比較するとかなり縮小しているが、前月(6月)を上回り、首都圏全体においてはもっとも減少率が大きかった。
ちなみに首都圏は -2.4%ダウン(6月は、-11.0%ダウン)である。
成約単価は、前年同月比 13.7%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
7月度のデータは、
・東京都:74.36万円/m2
・城北地区:74.21万円/m2
と、2008年1月以降、もっとも高い値である。
これは昨年同月比では、
・東京都:6.5%アップ
・城北地区:13.7%アップ
城北地区においては、二ケタ上昇となった。コロナウイルスによる影響は件数に多大であり、相場への影響は継続して注視していきたい。
在庫件数は、前年同月比 -5.9%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
7月度のデータは、
・東京都:24,616件
・城北地区:3,971件 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-9.4%ダウン
・城北地区:-5.9%ダウン
城北地区において7月の在庫件数は、2017年9月以降最も低い数値である。コロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高130%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では40%弱の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の城北地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
次回は、神奈川県 川崎市をレポートする。
参考サイト
城北地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
東京都 城北地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
東京都 城北地区 中古マンション市場動向(2020年4月度)
東京都 城北地区 中古マンション市場動向(2020年5月度)
東京都 城北地区 中古マンション市場動向(2020年6月度)