2020年7月度、神奈川県「湘南地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
コロナ禍のマーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 15.4%アップ
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。
7月度のデータは、
・神奈川県:727件(6月: 748件、5月: 407件、4月:390件)
・湘南地区:105件(6月: 111件、5月: 55件、4月:55件) となり、
これは昨年同月比で、
・神奈川県:-7.2%ダウン(6月:-15.2%ダウン、5月:-40.2%ダウン、4月: -52.1%ダウン)
・湘南地区:15.4%アップ(6月:-11.2%ダウン、5月:-36.8%ダウン、4月: -44.4%ダウン)
4 か月連続で昨年同月を大幅に下回っていたが、7月度は昨年の実績を大きく上回った。神奈川県において、プラスに転じたのは、唯一湘南地区だけである。また、首都圏全体でみても、もっとも上昇率が大きかった。ちなみに首都圏は -2.4%ダウン(6月は、-11.0%ダウン)である。
成約単価は、前年同月比 10.5%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
7月度のデータは、
・神奈川県:46.02万円/m2
・湘南地区:38.25万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:6.5%アップ
・湘南地区:10.5%アップ
湘南地区においては、前月(6月:14.2%アップ)に続き2か月連続で二ケタ上昇となった。
在庫件数は、前年同月比 -14.7%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。しかし、この半年間は湘南地区の減少が著しい。
7月度のデータは、
・神奈川県:11,155件
・湘南地区:1,258件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-2.1%ダウン
・湘南地区:-14.7%ダウン
湘南地区は7か月連続で減少し、2016年1月以降最も低い数値である。コロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高112%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約31%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の湘南地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあわせたもの。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
次回は、埼玉県 さいたま市をレポートする。
参考サイト
神奈川県 湘南地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年4月度)