2020年10月度、神奈川県「湘南地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
マーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 +28.7%
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。
10月度のデータは、
・神奈川県:906件(9月:817件、8月:772件、7月: 727件、6月: 748件、5月: 407件、4月:390件)
・湘南地区:112件(9月:115件、8月:114件、7月: 105件、6月: 111件、5月: 55件、4月:55件) となり、
これは昨年同月比で、
・神奈川県:+40.0%(9月:-4.8%、8月:+25.7%、7月:-7.2%、6月:-15.2%、5月:-40.2%、4月: -52.1%)
・湘南地区:+28.7%(9月:-4.2%、8月:+42.5%、7月:+15.4%、6月:-11.2%、5月:-36.8%、4月: -44.4%)
前月(9月)は昨年同月を下回っていたが、10月においては二ケタ増となった。首都圏の都県別では、神奈川県が昨年同月比+40.0%ともっとも上昇率が大きかった。ちなみに首都圏は +31.2%(9月は、-7.3%)である。
成約単価は、前年同月比 -4.7%
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
10月度のデータは、
・神奈川県:44.48万円/m2
・湘南地区:36.73万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:+3.8%
・湘南地区:-4.7%
湘南地区においては、4か月連続ぶりに前年比を下回った。
在庫件数は、前年同月比 -22.5%
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。しかし、この半年間は湘南地区の減少が著しい。
10月度のデータは、
・神奈川県:9,905件
・湘南地区:1,122件(10か月連続で減少) となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-15.2%
・湘南地区:-22.5%(10か月連続マイナス)
湘南地区において、昨年同月比が4か月連続(9月:-20.3%、8月:-19.9%、7月:-14.7%)で10%超の減少となった。10月の在庫件数は、2010年12月以降最も低い数値である。コロナウイルスによる影響は、当初懸念されていた在庫数の増加でなく、減少であるようだ。
下のグラフは、上記の湘南地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあわせたもの。引き続き、在庫件数と成約単価をチェックしていきたい。
次回は、埼玉県 さいたま市をレポートする。
参考サイト
神奈川県 湘南地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年4月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年7月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年8月度)
神奈川県 湘南地区 中古マンション市場動向(2020年9月度)