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日本の信用を揺るがす発言――要職者の言葉が市場に与える影響

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6月初旬、自民党の高市早苗議員が自身のX(旧Twitter)に投稿した内容が注目を集めている。発端は、森山裕自民党幹事長が講演で「日本の国債の評価がギリギリまで落ちている」と発言したことに対し、驚きと懸念を示した高市議員の反応だった。

高市議員は、石破茂首相が参議院予算委員会で「我が国の財政状況はギリシャよりもよろしくない」と答弁したことにも言及し、事実関係に基づかない財政不安を煽るような発言が、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場に与える影響を問題視している。CDSは国債の信用リスクを示す指標であり、そのスプレッドは市場参加者によって決まる「信用の価格」だ。高市議員は、石破総理の発言後、日本のCDSレートがわずかに上昇したことをデータで示し、責任ある立場にある者の発言が市場に波紋を広げる可能性があると訴えた。

実際、6月2日時点のCDSレートを見ると、日本はG7諸国中2、3番目の低水準であり、「ギリシャよりもよろしくない」という評価は、数字上も根拠に乏しい。石破総理の答弁の背景には、財務省が作成した文書があるとされており、高市議員は「CDSレートを見たうえで答弁を準備したのか?」と疑問を呈した。

ここで注目すべきは、「CDSレートを用いた国際的な信用比較」が政策議論の場で行われた点だ。CDSは単なる金融指標ではなく、海外投資家や格付け機関が国の信用を測るための重要なバロメーターである。その数値を押し上げるような発言は、投資家の不安を招き、日本国債の利回りに間接的な影響を与えるリスクがある。

特に、総理大臣や与党幹部といった「国を代表する立場」の発言は、単なる個人の見解では済まされない。国家の信用、そして国民が担う財政負担にまで影響する可能性がある。高市議員は、「日本を自ら貶めてはならない」と警鐘を鳴らすが、まさにその通りだ。

これは政治的な立場の違いを超えた「国の信頼性」に関わる問題である。いま必要なのは、感情や印象ではなく、データと論理に基づく慎重な言論である。財務省をはじめとする政策立案機関も、政治家に対して適切な情報提供と説明責任を果たさなければならない。

市場は言葉に敏感だ。ほんの一言が、国の信用と金利、そして将来世代の財政負担に跳ね返る。今後、政治家が発する一つひとつの言葉に、より一層の責任と配慮が求められるだろう。

高市氏の投稿はこちらhttps://x.com/takaichi_sanae/status/1929657664784814540

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