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「AI三者三様」──新NISAで選ぶ大手不動産株、なぜ答えが分かれるのか?

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2024年からスタートした新NISA。非課税枠の拡大や制度の恒久化により、個人投資家の資産形成手段として注目を集めています。ファクトストックは、不動産分野のコンテンツを手掛けていますが、金利先高観の昨今、ふと「長期で持つなら、どの不動産会社株が有望か?」という問いをAIに投げかけてみることにしました。地価高騰の最中でもあり、ポジティブとネガティブが錯綜する市況の中で、プロ・個人を問わず多くの人が気になるテーマのひとつではないかとも思います。

この疑問を深掘りすべく、3種類のAI(Gemini、ChatGPT、Perplexity)に「新NISAで大手不動産会社株を買うなら、どれがオススメ?推奨度順に3社挙げて」と、まったく同じプロンプトで質問してみました。すると、どのAIも三井不動産・三菱地所・住友不動産という“財閥系御三家”を挙げつつも、順位付けがすべて異なるという興味深い結果に。今回はその内容と、なぜ答えが分かれるのかを考察します。

3つのAIが出した「推奨度ランキング」

GEMINIの答え

1位 三菱地所
2位 三井不動産
3位 住友不動産

三菱地所の「丸の内」などに代表される圧倒的なオフィス資産、再開発の将来性、多角化、株主還元意識を高く評価。三井不動産はバランス型、住友不動産は堅実な賃貸・分譲事業を評価。

ChatGPTの答え

1位 三井不動産
2位 三菱地所
3位 住友不動産

三井不動産のグローバル展開や企業統治改革、株主還元強化を最重視。三菱地所は大規模再開発による資産価値向上、住友不動産は都心再開発の成長性と安定性を評価。

Perplexityの答え

1位 三井不動産
2位 住友不動産
3位 三菱地所

「透明性・信頼性・安定性」を重視し、最新の業績や純利益、業界内評価を根拠にランキング。三井不動産は売上・利益ともに業界トップ、住友不動産は純利益で2期連続2位、三菱地所は売上高で優位だが利益面で3位と分析しています。

なぜAIごとに答えが違うのか?

この違いは、AIが重視する「評価軸」と「情報のアップデート頻度」、そして「参照するデータソースの違い」に起因するようです。

  • 評価軸の違い
    Geminiは「資産規模」「再開発の将来性」「多角化」「株主還元」を重視。ChatGPTは「グローバル展開」「企業統治」「株主還元強化」をより重視。Perplexityは「直近の業績データ」「財務の健全性」「業界内の最新序列」を重視し、利益や安定性を数値で裏付け。
  • 情報の鮮度・参照元
    Perplexityは2025年3月期の決算や業界最新ニュースを反映し、住友不動産が純利益で三菱地所を抜いた事実を重視しています。一方、他のAIはやや長期的なブランド力や事業の多角化、海外展開のポテンシャルを評価している印象です。
  • “正解”が一つではない世界
    不動産業界は、売上高・利益・資産規模・成長性・株主還元・ESG・ブランド力など、どの指標を重視するかで「最適解」が変わります。AIは入力されたプロンプトや学習データに基づき、“それぞれのロジック”でランキングを出すため、同じ企業群でも順位が分かれるのです。

個人投資家はどう考えるべきか?

この「AI三者三様」現象は、投資判断における“多様な視点”の重要性を示しています。

  • 業績や財務の健全性を重視するなら
    直近のデータに基づくPerplexityのようなアプローチが有効。特に新NISAの長期投資では、安定した利益成長や高い純利益を重視する人も多いでしょう。
  • ブランド力や将来性、海外展開を重視するなら
    ChatGPTやGeminiのように、事業ポートフォリオやグローバル戦略、都市再開発の将来性を評価する視点も大切です。
  • “正解”は自分の投資スタイル次第
    どのAIも三井不動産・三菱地所・住友不動産を推奨しており、いずれも東証プライム上場の超優良企業。あとは「自分が何を重視するか」で答えが変わるのです。

まとめ:AIの違いは“投資の多様性”そのもの

今回の実験は、「AI=絶対的な答えを出す存在」ではなく、「多様な視点を提示してくれる強力なアドバイザー」であることを再認識させてくれました。AIの答えが分かれるのは、投資に“唯一の正解”がない証拠。だからこそ、複数のAIや専門家の意見を参考にしつつ、自分自身の価値観や目的に合った投資判断を下すことが、これからの時代の新しい投資スタイルなのだと思います。

あなたは、どのAIのランキングに共感しますか? それとも、自分だけの評価軸で新NISAの投資先を選びますか?


さて、ここまでが、AIが3つのAI分析をまとめた記事です。実際に、株式投資をされている方なら、物足りなさを感じるでしょう。PBRやPERといった基礎的な指標、チャート分析、中計や社長のメッセージなど、もっと突っ込んだかつデータの比較が欲しいものです。とはいえ、AIは進化しています。四半期に一度くらいのペースで同じプロンプトを投げてみたいと思いました。


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