2017-2019「相場はジリジリ上がり続ける」
下の3つのグラフ(2017年~2019年)は、ある点で共通している。それは、バブルが中央付近に密集していることだ。2016年に上昇した在庫は、一進一退を繰り返す。つまり、Y軸上の移動はほとんど見られない。
一方、成約単価はほとんどの月がプラス。ジリジリと上がっている様子が見て取れる。成約件数は大きくは増えていないが、2018年白(前年ダウン)が続いたのに対し、2019年は青色(プラス)が多い。「第三象限(踊り場)入りしそうにも、第四象限(好況)から脱しない」。そんなマーケットの均衡状態があらわれている。
2020「想像しがたい展開」
2008年リーマンショック前後から、都心3区のマンション市況を振り返ってきた。市場は、世界経済を揺るがすリスクに例外なく影響を受け、税と金融の施策に期待通りに反応し、4つの象限を反時計回りに移動している。
後半にかけて(2017-2019)、第四象限を脱しなかった理由は、
・人口動態(都市集中)
・マイホームに利便性を求める共働き世帯の増加
・富裕層の資産運用(潤沢な資本の受け入れ先)
等が挙げられる。そして、重要なことはこの趨勢が継続していると市場が認めていたことである。
しかし、思いもかけない事態が起きた。コロナウイルスである。社会・経済への打撃は未だ不明。これから起こることは全く予想できず、シナリオを考えることすら時期尚早であろう。