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三菱地所レジデンス新社長、宮島 正治 氏

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経歴は住宅一筋

 先月23日(2020/1/23)、三菱地所レジデンスは2020年4月1日付社長交代の人事を発表した。現在の代表取締役社長執行役員脇英美氏から現在代表取締役専務執行役員である宮島正治氏にトップが交替する。経歴は以下の通り。入社以来、一貫して住宅事業部に従事した人物である。

宮島正治氏

□学 歴
昭和62年 3月 慶応義塾大学法学部卒業
□業 歴
昭和62年 4月 三菱地所株式会社入社 第一住宅部
昭和63年11月 パートナー事業部
平成 6年 4月 札幌支店
平成11年 4月 第二住宅事業部
平成12年 4月 住宅事業部
平成17年 4月 住宅事業部副長
平成22年 4月 パートナー事業部副長
平成23年 1月 休職(三菱地所レジデンス(株)・城南事業部長)
平成26年 4月 住宅業務企画部長
平成28年 4月 グループ執行役員 兼 三菱地所レジデンス(株)取締役専務執行役員
平成29年 4月 グループ執行役員 兼 三菱地所レジデンス(株)代表取締役専務執行役員

エピソード

 最も印象に残っているエピソードは、「ザ・パークハウス 新宿御苑」竣工現場を取材したときのこと。偶然、宮島氏も視察に訪れていたので内覧をご一緒させていただいた。

 屋上デッキからの景色(下の画像)を見て「竣工販売のほうが高く売れたんじゃないですか」などと、冗談交じりに会話を業界で話題の値付けに向けてみたりしたのだが、それより宮島氏は品質管理だけに意識が集中していたようだった。

 建ぺい率の高い土地で空地面積が少なく、「庇に積雪したときの注意事項(接道歩行者への配慮)を管理サイドに必ず申し送りしておくように」「(眺望がウリの物件であったため)窓ガラスの性能についてもう一度確認してみて」といった指示が細かく部下に飛んでいた。ああこの人は本当に住宅の細かなことに自然と関心が向く人なんだな、とあらためて思ったものだった。

 広大な新宿御苑を見て、思わず「内藤家の末裔にとっては感慨深い風景だろうから持ってもらうと良いのでは?」とたずねてみたら、それは難しかったかもしれないといったような答えが返ってきた。開発事業はこういう沿革の継承が可能な人に手掛けてもらいたいと思う。

「モノづくり」原点回帰

 「地所」と言えば、モノづくり。フローリングが一気に普及した90年代後半、「音の問題は解決したのか?」と最後まで導入をためらっていたイメージがある。当時リビングダイニングのカーペットは売れ残りの原因とも言われたが、まったく意に介さず。「石橋を叩いて壊す」と聞いたのがその後で、その通りかもしれないと思った。商業的価値は「品質のあと」の話。この順番は入れ替わらない。

 宮島氏には、2年前に事業方針について話を聞く機会があった。その際「新しい物件のモデルルームを社内でプレゼンテーションされるとき、立地特性から想定される顧客ターゲットからはじめないと『はい、やり直し』ということにしている」お客さんあっての物件(設計・仕様・スペック)だから、と。徹底した原点回帰が市場でどのように評価されるか。是非注目してみたい。


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