快適なひとり暮らし
単身世帯の増加が叫ばれて久しいが、今回は快適なシングルライフを送るための間取りのポイントを解説したい。
上掲のプランは、三井不動産レジデンシャルが女性単身者に特化して企画した「パークリュクス」シリーズのコンセプトモデルルームである。
住まいの顔である玄関部分は、収納面の機能性とデザイン性の両立を図った。床はトイレや洗面室と一体でタイルを貼り上質感を。ゲストの第一印象が楽しみになる。浴室のサイズも十分。水回りに確保したスペースをみると長期居住を前提に設計していることが分かる。キッチンカウンターは奥行を広く、ダイニングテーブルを兼用できる。おかげでリビングは少々大きめのソファを選択することも可能だ。正面に薄型テレビを置き、A&V鑑賞の環境を満足のいく状態に設定できる。
同シリーズ立ち上げにあたり、対象ターゲットにアンケートを取っている。もっとも多かった「希望の設備・仕様」は、ウォークインクローゼットだそう。
さて、強調しておきたいのは構造と間口である。40㎡台の空間で柱が室内に出っ張っていたなら、家具配置に支障が出る恐れがあるだろう。また、バルコニーの有無は開放感を大きく左右する。双方ともに理想的な選択であることが伺える。間口も同様。コンパクトタイプの場合、リビングダイニングと居室が縦に並ぶケースが少なからず見受けられるのに対し、間口に対して並行であれば、どちらの空間にいても採光に恵まれた暮らしが叶う。引き戸の多用にも着目したい。ドアの軌道を考慮する必要がないためスペースの有効活用が図れ、空間の一体化を容易に行うことができる。
快適性は「アイデア」次第
コンパクトな間取りでは、ダイニングセット、ソファ、ベッドといった大型家具が理想とする向きに配置できるかどうかが重要。ダイニング兼用のカウンターは有効な選択肢のひとつだろう。多様なアイデアを知識として得ておけば、実際の暮らしがより快適になる
文京区本郷。丸の内線「本郷三丁目」駅から徒歩2分。「パークリュクス」シリーズ第一弾。コンパクトマンションは大きな通りに面している場合が少なくないが、こちらは1本入ったところ。同シリーズでは販売責任者に女性を登用している。総戸数52戸。分譲は三井不動産レジデンシャル。施工は清水建設。2008年竣工。
※この記事は下記コンテンツより一部抜粋して転載しています。
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