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埼玉県地区別「リーマンショック」時の下落幅

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 2008年リーマンショックと2011年東日本大震災は、この十数年のなかで起きた経済不況の象徴たる出来事(発端)である。そして、2020年新型コロナウイルスによる影響はリーマンショックを超えるかもしれないとの見解さえある。

 2020年5月4日、緊急事態宣言の延長が見込まれる中、ダメージの大きさは未だ計り知れないが、過去の2大不況をデータベースで振り返っておきたい。昨日、一昨日の東京都に続き、本日は埼玉県の2008-2009年を取り上げる。

 下表は、東日本不動産流通機構発表の中古マンション市場動向より、埼玉県地区別「成約単価」と「在庫件数」の前年同月比ワースト記録3つを並べたものである。

2008-2009成約単価前年比在庫件数前年比
さいたま市ワースト1-20.427.1
さいたま市ワースト2-19.225.5
さいたま市ワースト3-16.624.6
中央地区ワースト1-15.426.7
中央地区ワースト2-14.322.8
中央地区ワースト3-12.622.4
西部地区ワースト1-13.826.1
西部地区ワースト2-12.623.8
西部地区ワースト3-12.422.3
東部地区ワースト1-17.513.3
東部地区ワースト2-14.212.6
東部地区ワースト3-14.09.4

成約単価の下落幅順に並べると、

さいたま市:-17~-20%
東部地区:-14~-18%
中央地区:-13~-15%
西部地区:-12~-14%

 一般的に、マンション相場のボラティリティ(変動率)は都心部ほど高く、郊外はそれにくらべると小さい、との認識があるのではないだろうか。しかしながら、以下の東京都地区別とをみくらべてみると「そうでもない」ことがわかる。

都心3区:-18~-23%
城西地区:-14%前後
城南地区:-12~14%
城北地区:-11~-15%
城東地区:-12~14%
多摩地区:-7~-12%

 県内で最も下落が大きかったさいたま市は、都心3区に近い数値である。過去記事「築年数」のケースにおいても、さいたま市は東京都都心部に似た傾向が見受けられた。神奈川県川崎市に次いで、3県のなかでマンション市場動向が都心に近しい地区といえそうだ。

 さらに、特筆すべきは在庫件数の増加。東京都では、倍増をはるかに超えた(100%超)都心3区をはじめ、軒並み前年比50-80%増えたのに対し、さいたま市は20%台。たとえ2割も在庫が増えれば、相場が大きく打撃をうけたことがわかる。

埼玉県地区別2008_2009データ
埼玉県地区別2008_2009データ

参考サイト:東京都リーマンショック時の下落幅


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