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参考になる間取り#42「ビラハイツ北の丸」

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固定観念の払拭

1LDK+DEN/62.88m2

 (略)玄関を入るといきなりDEN。オールステンレスのオリジナルキッチンは、分譲当時は珍しかったディスパーザーや自動食器洗い機が標準装備されている。冷蔵庫と食卓のレイアウトもユニーク。このエントランスとキッチンの一体空間は床をタイルで統一。洗面浴室の壁面もタイル貼りとガラスで構成され、ホテルライクなテイストを徹底。ユニットバスでは、求める世界観が実現できなかったため在来工法を採用したのである。ベッドルームからの動線に限定されているが、使い勝手を考えるとこの選択が最適だろう。
 ベッドルームには縦長のフィックス窓。梁を床の上に設置する「逆梁」を採用したため、バルコニー壁の下部はコンクリートで閉ざされている。視界は遮られるが、建物が密集する都心部ではプライバシーを守る役割を果たす。逆に窓の上部は梁がないため採光上は有利。天井まで届くほどのスリットな縦長窓の連続は、欧米風の個性的な外観を生み出した。少々大げさかもしれないが、このマンションのある一画は東京らしくない、そんな景観なのである。
 エレベーター付きマンションは上層階に行くほど販売単価は高くなる。眺望価値が高まるためだ。したがって通常は最上階が最も高額で、事業貢献度も増すが、この物件は最上階とその下階を非分譲(共用施設)とした。そこからしか見えない景色を共有するためだ。(略)

限られたスペースにこそ、ゆとりの「間」を

玄関のタタキと収納、そしてキッチンにダイニング、客間も兼ねた空間だ。こんな「間」があれば日常の足となる自転車を気兼ねなく持ち込めるし、ゲストも靴を脱ぐ手間が省ける。玄関口のちょっとしたゆとりが汎用性を高める。自宅兼事務所で使用するなど人は大きなヒントに。

千代田区九段南。東西線「九段下」駅徒歩7分。靖国神社と北の丸公園の間に位置する。希少な眺望を全居住者が共有できるよう、上層2フロアをメゾネットタイプの共用施設とした。100戸以下の規模では珍しい試みである。地上12階地下2階建て。総戸数64戸。分譲ニチメン(現双日)。施工前田建設工業。2000年竣工。


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「都心に住むby suumo」(リクルートホールディングス)
連載『間取りに恋して』(2012年3月~2018年8月)再編集
住み替え、リフォームの参考にしたいマンションの間取り



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