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参考になる間取り#15「ワテラスタワーレジデンス」

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進化するタワーマンション

3LDK/143.21m2
3LDK/143.21m2

 

 前回は、柱や梁が太くなりがちなタワーマンションにおいて、階高(床から上階の床までの高さ)をたっぷり取り、広くスッキリとした空間を実現した例を取り上げた。今回もタワー特有のマイナス要素を払拭するための工夫を施した例をご紹介しよう。
上の間取りは、「ワテラスタワーレジデンス」最上階角住戸。大きな玄関や両扉を用いたリビングなど、高級感を重視するペントハウスならではのつくりが随所に見受けられる。だが、ここでクローズアップしたいのは、スカイデッキとボイド(空洞)。
超高層建物は、強風や落下物を防ぐなどの理由からフィックス窓を多用することがあり、風の通り道を失いやすい。ましてやハイグレードにありがちな、内廊下設計ともなれば、開口部は外周部に限られ、窓のない居室さえ生まれやすい。一戸建てに住んでいた人が、「タワーはどことなく閉塞感を覚える」のはこうした理由からではないか。
「スカイデッキ」と表記されたベッドルームの外側(ガラスウォールの内側)はエキスパンドメタル(孔の空いた金属板)が敷かれた空洞。洗濯物を干さないタワーライフを前提とした、開放性向上に特化したスペースである。最上階ならではの特権をいかしたボイドは「プライベートガーデン」でベッドルームや浴室に緑の風景を届けている。もうひとつは「スカイライト」。内廊下のデメリットでもある玄関部分の暗さを解消。ホールは最高に心地よい空間になるはずだ。マンションにおける邸宅感は、内装や設備、家具などのグレードだけではなく、空間の居住性能で表現する時代に入ったといえる。

地上約160mのプライベートガーデン

40階以上もの高さの建物となると、雨が降っているのかさえわからないことがあるらしい。もちろん、グリーンを目にする機会も限られるはず。ところが、こんな中庭があるとどうだろう。超高層マンションの最上階にいることさえ、つい忘れてしまう瞬間さえありそうだ。

千代田区神田淡路町。東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅から徒歩3分。再開発事業の一環として建てられた。オフィス階の上層部分にあたる20階~41階が住居である。建物全体として、2種類の制震構造を採用している。地上41階建て、総戸数333戸。分譲は安田不動産他。施工は大成建設。2013年竣工。

住み替えやリフォームの参考になるマンションの間取り」(『都心に住む』by SUUMO連載を再編)より抜粋しました。


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【良い間取りを研究したい方へ】
「都心に住むby suumo」(リクルートホールディングス)
連載『間取りに恋して』(2012年3月~2018年8月)再編集
住み替え、リフォームの参考にしたいマンションの間取り



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