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首都圏マンション市況2

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Chapter2:中古マンション市場

以下、DVD「首都圏マンション市況 2018下半期」より転載(一部修正)

「それでは次にチャプター2、中古マンション市場について解説します。今、出てきたグラフは、東日本不動産流通機構が毎月発表しています中古マンション市場の各データの中から、首都圏の在庫件数、これを黄色の棒グラフで、成約単価、これを水色の折れ線グラフで表しています。このグラフから、いろんなことが実は分かるんですけれども、まず一つは不動産、ここでは中古マンションですけれども、この価格変動というのはどういうふうに起きるかということが分かります。グラフの前半と後半で意味合いが異なるのですが。まず、前半のほうをご覧いただきますと、在庫が減ってくると成約単価は上昇基調に入る。一方、在庫が増えてくると成約単価は下がってくるということなんです。つまり、需給のバランスによって、成約単価っていうのは変わっているということです。需給によって価格が変わる、これは全ての商品・サービスについても同様のことがいえるわけですけれども、不動産も、マンションも決して例外ではないということが分かるかと思います。

しかしながら、この自然の流れを崩すといいますか、変えるものがあります。それが「金融」なんです。昭和のバブルもそうですけれども、金融という大きな要素が加わることによって、このマーケットが大きく変わっていくということです。さらに今回は税制改正という要素も加わって、マンション市場に影響を与えているということなんです。このグラフをご覧いただきますと、後半は在庫が上がっているにもかかわらず、価格も上昇トレンドを崩していないということなんです。そういう意味では、在庫連動型のマーケットだったのが、金融緩和、そして税制改正という要素が加わることによって、今、中古マンション市場は政策連動型の動きを見せているということがいえるんではないかと思います。

次に、新築マンション同様、中古マンションもどれぐらい値上がりしたのかというのを、2018年の月別に、10年前の同月比と5年前の同月比で比べてみました。およそ10年前と比べると、2割5分から3割上がっているのに対して、5年前では3割前後上昇しているという結果になりました。ご覧いただくと、10年前に比べて、5年前のほうが、全ての月において数字が高いということになっています。つまり、逆転現象が起きているということなんですが、これは個人的な推察の域を出ないんですけれども、恐らく2011年の震災を受けて、今の耐震基準を満たしていない旧耐震のマンション相場、これが少し弱含みになったんではないか、これが原因だというふうに私個人的には見ています。」

「先ほどのグラフに東京都の在庫件数、それと東京都の、同じく成約単価、これを加えてみたものがこちらの表になります。ご覧いただくと、首都圏と東京都、それぞれ、在庫件数も成約単価も同じ動きをしているのが分かると思います。さらに東京都の成約単価を見ると、やはり首都圏よりも、この上昇角度が少しきついというのが分かると思います。これは東京都の中の23区、さらに23区の中の都心部を見ていくと、この上昇角度というのはより高くなっているということです。つまり、都心部、利便性の良い立地が、この上昇相場をけん引しているということになるわけです。」

続く


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