2020年3月度、埼玉県「さいたま市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-13.3%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・埼玉県:413件
・さいたま市:111件 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:-17.1%ダウン
・さいたま市:-13.3%ダウン
さいたま市も下落。コロナウイルスによる市場の低迷が顕著にあらわれたといえるだろう。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月に-38%、その後も2ヵ月前年同月比-22~-25%を記録した。引き続き注視していきたい。

成約単価は、前年同月比5.7%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、さいたま市は埼玉県のトレンドを上回る上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・埼玉県:33.40 万円/m2
・さいたま市:41.33 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:5.1%アップ
・さいたま市:5.7%アップ
さいたま市においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大であり、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降で成約件数が前年同月比-22~-38%を記録したときでも、概ね-9%以内の下落に留まった。しかしながら、リーマンショック(2008年9月)前後の6か月程度は、概ね-11%から-20%であった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。

在庫件数は、前年同月比-2.6%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
なお、直近のデータは、
・埼玉県:5,016件
・さいたま市:1,214件 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:-0.1%ダウン
・さいたま市:-2.6%ダウン
コロナウイルスによる影響はまだ明確に確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高131%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では54%もの増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。

下のグラフは、上記のさいたま市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。

明日は、埼玉県 中央地区をレポートする。