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マンションの売り時を調べる方法

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自宅売却を考え始める人が増えた

「売りどきは、今年か来年か?」「そんなにあせらなくても大丈夫?」

 この手の質問は、3,4年前くらいから多く受けるようになりました。だいぶ上がったからそろそろピーク? オリンピック直前から下がるのでは? と、マーケット全体のトレンドを見据えた動機。近くで新しいマンションができるから今のうちに売ったほうが良いか? 今売って値上がりそうなエリアに買い替えたほうが賢明か? といった所有物件周辺の事情や資産形成を考えた思い立ちなど。理由はさまざまです。

 本来、自宅売却は老朽化や世帯の変化などに応じて売却のタイミングを考えるものと思いますが、「リーマンショックから10年」の間でこれだけ相場が大きく変わると上記のような意識も芽生えて当然という気もします。また「仲介会社に相談したら、たいてい“売却したほうが良い”といわれる。だから第三者に聞きたかった」という声も多いです。

 まずは、市場のトレンドを簡単にご説明したいと思います。

中古マンションの相場は安定している!?

 マンションの市況を分析するには、新築マンションは売れ行き(契約率)と完成在庫、中古マンションは在庫件数と成約単価がチェックすべきデータとして望ましいことはこれまでも触れてきました。直近の中古マンションの数値は以下をご覧ください。

参考サイト:23区中古マンション市場動向(2019年12月度)

 あらためて、首都圏と東京都の中古マンションの在庫と成約単価をみたものが下のグラフです。成約単価に下落の予兆は見られません。在庫は、逆に落ち着きつつあるように見受けられます。

 しかし、不動産相場は細分化することが基本。そこで、(それでもざっくりとした切り方ですが)一都三県のデータを直近3ヶ月取り出してみました。

「総じて堅調」は東京都のみ

直近3ヶ月(2019年10月:11月:12月)の前年比(%)+1.0以上は太字

■首都圏
在庫件数 +1.8:+0.9:-0.2
成約単価 -0.6:+2.9:-0.2

■東京都
在庫件数 +1.0:+0.3:-1.7
成約単価 +1.4:+0.8:+0.4

■埼玉県
在庫件数 +1.1+2.5+3.3
成約単価 +0.1:+0.8:+0.0

■千葉県
在庫件数 +1.3:+0.4:+3.1
成約単価 -2.4:+1.5+3.2

■神奈川県
在庫件数 +4.1+1.8:+0.8
成約単価 -1.4:+3.0:-0.9

データ出典:東日本不動産流通機構

東京都は成約単価でマイナスになった月がありません。神奈川県は2度あり、在庫は3ヵ月ともプラス。埼玉県も在庫増が続いており、成約単価はマイナスにこそなっていませんが上がっているというには値が小さいです。

 このように地域差は顕著で、さらに大事なことはより細分化して把握する作業がなければ「売りどきかどうか」は決められない、ということです。次のページで最も手っ取り早い方法をご紹介します。

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「都心に住むby suumo」(リクルートホールディングス)
連載『間取りに恋して』(2012年3月~2018年8月)再編集
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