2020年9月度、東京都「城東地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
マーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -4.6%
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。
9月度のデータは、
・東京都：：1,713件（8月:1,576件、7月:1,682件、6月:1,615件、5月: 882件、4月:812件）
・城東地区：392件（8月:357件、7月:381件、6月:383件、5月: 190件、4月:180件） となり、
これは昨年同月比では、
・東京都：-10.0%（8月:+14.5%、7月:-3.7%、6月:-10.7%、:5月: -37.6%、4月: -55.3％）
・城東地区：-4.6%（8月:+16.7%、7月:+1.6%、6月:-6.1%、5月:-43.1%、4月:-57.4％）
2か月連続（7月、8月）で昨年の実績を上回っていたが、9月はマイナスに転じた。東京都全体では、前月（8月）の二ケタ増からの減少となった。ちなみに首都圏は -7.3％（8月は、+18.2％）である。
成約単価は、前年同月比 +5.1%
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
9月度のデータは、
・東京都：74.62万円/m2
・城東地区：64.26万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都：+5.6%
・城東地区：+5.1%
城東地区において、昨年同月比では21か月プラスを更新した。9月の成約単価は2008年1月以降、今年の1月（64.98万円/m2）に次ぐ数値となった。
在庫件数は、前年同月比 -11.6%
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、この1年で少し差が出てきたようである。
9月度のデータは、
・東京都：22,880件
・城東地区：4,892件 （4か月連続で減少） となり、
これは昨年同月比では、
・東京都：-15.4%
・城東地区：-11.6% （3か月連続マイナス）
9月の在庫件数は、2016年9月以降最も低い数値である。コロナウイルスによる影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高130%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では56%もの増加が記録されている。引き続き注視したい。
下のグラフは、上記の城東地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数と成約単価をチェックしていきたい。
次回は、東京都 城北地区をレポートする。
参考サイト
東京都 城東地区 中古マンション築年数（2020年2月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年3月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年4月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年5月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年6月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年7月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年8月度）