2020年6月度、東京都「城東地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
緊急事態宣言解除後のマーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -6.1%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。
6月度のデータは、
・東京都：：1,615件（5月: 882件、4月:812件）
・城東地区：383件（5月: 190件、4月:180件） となり、
これは昨年同月比では、
・東京都：-10.7%ダウン（5月: -37.6%ダウン、4月: -55.3％ダウン）
・城東地区：-6.1%ダウン（5月:-43.1%ダウン、4月:-57.4％ダウン）
4か月連続で昨年同月を下回ったが、減少率は前月(5月)、前々月( 4月)と比較するとかなり縮小している。
ちなみに首都圏は-11.0％ダウン(5月は、-38.5％ダウン)である。
東京都全体でみると、城東地区の減少率がもっとも低かった。
成約単価は、前年同月比 2.9%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
6月度のデータは、
・東京都：70.19万円/m2
・城東地区：60.52 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都：0.6%アップ
・城東地区：2.9%アップ
城東地区においても、成約件数ほどに単価の影響（下落）は、まだ確認できず前年同月比では18か月プラスを更新した。コロナウイルスによる影響は件数に多大であり、相場への影響は今後継続した注視を要する。
在庫件数は、前年同月比 1.8%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、この1年で少し差が出てきたようである。
6月度のデータは、
・東京都：25,351件
・城東地区：5,564件 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都：-5.8%ダウン
・城東地区： 1.8%アップ
ここでもコロナウイルスによる影響はまだ明確に確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高130%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では56%もの増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の城東地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
次回は、東京都 城北地区をレポートする。
参考サイト
城東地区 中古マンション築年数（2020年2月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年3月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年4月度）
東京都 城東地区 中古マンション市場動向（2020年5月度）