2020年3月度、埼玉県「西部地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-12.9%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・埼玉県:413件
・西部地区:121件 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:-17.1%ダウン
・西部地区:-12.9%ダウン
西部地区も下落。コロナウイルスによる市場の低迷が顕著にあらわれたといえるだろう。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月に-14%、その後も2ヵ月連続前年同月比-17~-26%を記録した。今回は、すでに震災直後と同等の減少が記録された。さらにその幅が広がるかどうか、注意が必要だ。
成約単価は、前年同月比8.6%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、西部地区は埼玉県のトレンドよりやや穏やかな上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・埼玉県:33.40 万円/m2
・西部地区:30.30万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:5.1%アップ
・西部地区:8.6%アップ
西部地区においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)は、まだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大であり、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降で成約件数が前年同月比-14~-26%を記録したときでも、概ね-16%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後の6か月程度は、概ね-7%から-14%であった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。
在庫件数は、前年同月比-1.3%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
なお、直近のデータは、
・埼玉県:5,016件
・西部地区:1,283件 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:-0.1%ダウン
・西部地区:-1.3%ダウン
コロナウイルスによる影響はまだ明確に確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高117%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では24%の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の西部地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、埼玉県 東部地区をレポートする。