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2020オリンピックが終わったら、東京の経済は減速するのか?

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 本日(2019年11月19日)森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵)は「世界の都市力総合ランキング2019」記者発表会を行った。東京は、昨年同様ロンドン、ニューヨークに次ぐ「第3位」。冒頭、竹中氏は「総合ランクも重要だが、詳細に目を向けてほしい」と語った。同財団理事で明治大学名誉教授である市川宏雄氏のランキング指標の解説や記者との質疑応答のなかで出てきた「オリンピック開催後の経済予測」などは、今後東京が世界の都市間競争にどう向き合うかを考える上で、非常に示唆に富むものであった。

訪日外国人「夜することが無い」

 本ランキングは「(森ビルの前会長)森稔氏から都市の総合力を計り、優れているもの、足りないものを明らかにしてほしいと依頼され」(竹中氏)2008年からはじまった。毎年、同じ指標を計測しているのかと思っていたが、対象となる都市や指標は都度更新を図っている。2019年はヘルシンキ、ダブリン、テルアビブ、メルボルンが加わり計48都市に。2008年当初は35都市だったから、12回を経て13都市増えたことになる。

 指標は6分野-70指標(経済-13、研究-8・開発、文化・交流-16、居住-14、環境-9、交通・アクセス-10)。ここでも更新が図られ、2019年は「観光地の充実度」「ナイトライフの充実度」「働き方の柔軟性」「通勤・通学時間の短さ」等が加わった(あるいは見直された)。

 例えば「ナイトライフ充実度」。今世界では、ナイトライフエコノミーは文化・経済の両面で都市を活性化させる効果が期待され、注目を集めているテーマだという。市川氏によれば「スポットがあるだけではなく、交通環境が整備されているかも大事。ニューヨークでは24時間地下鉄が走っている」。竹中氏も「羽田に夜中着いても都心に行けない、規制緩和だけでなくサポート体制とセットで対応する必要がある」。夜中に稼げれば経済効果も見込める。訪日外国人アンケートでは「(とくに地方観光では)夜することが無い」と回答。慣習の枠を超え、都市間競争に勝ち抜くには他がやっていることをキャッチアップする姿勢が不可欠だとしている。

東京五輪のレガシーは?

 東京でマイホーム購入を検討する人にとって「東京オリンピック後の不動産市場はどうなるのか?」は関心の高いテーマだ。本ランキングでロンドンは「ロンドン五輪」開催直後の2012年発表から第1位に(それまではニューヨーク)。この結果に対して竹中氏は「レガシーとして何を残すかを十分検討した成果。空港整備にはじまり、MICE、ホテル、地下鉄のバリアフリー。以来、国際会議の数はロンドンが世界で一番多い。彼らは2004年アテネ五輪を研究し、戦略的に実行した」。東京は、果たしてそれが実行できるのだろうか。世界の都市総合力ランキング実行員会が国や都に問うているようにも伺えた。

 ここからは私見になる。たしかに、世界の都市と比較した場合、規制や税制で補える施策はまだまだあるようだ。しかし、交通インフラに目を向ければ「リニア中央新幹線の開業予定年」「高輪ゲートウェイや虎ノ門ヒルズ等の新駅設置ならびにその周辺エリアの再開発プロジェクト」「外苑西通りの延伸(品川駅まで)」など不動産の利用価値を引き上げる大型プロジェクトはすべて「東京五輪決定後に決定した」ものばかりだ。これに3環状の完成を伴って、世界に類を見ない人口3700万人の巨大交通網が進化を遂げる。「長い時間を要するインフラの構築が先行している事実」は心強い状況でもあるといった見方はできないだろうか。

東京は香港の代替になるか?

 最後に香港について。竹中氏は「ビッグイシュー(大きな問題)だ」とした上で、「今のところ、シンガポールあるいは(距離的に近い)上海に流れているよう」。東京が取って代わるには「政策次第」。シンガポールは所得税が安い。というより、東京の所得税が圧倒的に高いと言ったほうが良いかもしれない。アジアのヘッドクオーターを香港、シンガポールに取られた日本は「その座を取り返す気があるのかどうか」にかかっている。

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