緊急事態宣言の延長が決定し、新型コロナウイルスによるダメージの大きさは未だ計り知れない。どこまで市場に影響を及ぼすか、変化を読み取るために昨日まで東京都、埼玉県、千葉県と過去の2大不況をデータベースで振り返ってきた。本日は神奈川県の2008-2009年を取り上げる。
下表は、東日本不動産流通機構発表の中古マンション市場動向より、神奈川県地区別「成約単価」と「在庫件数」の前年同月比ワースト記録3つを並べたものである。
2008-2009 | 成約単価前年比 | 在庫件数前年比 |
横浜市ワースト1 | -8.3 | 38.1 |
横浜市ワースト2 | -8.0 | 37.3 |
横浜市ワースト3 | -7.7 | 36.3 |
川崎市ワースト1 | -12.6 | 42.1 |
川崎市ワースト2 | -11.8 | 40.3 |
川崎市ワースト3 | -10.9 | 38.5 |
相模原市ワースト1 | -15.8 | 5.4 |
相模原市ワースト2 | -8.0 | 4.3 |
相模原市ワースト3 | -6.2 | 3.6 |
県央地区ワースト1 | -15.3 | 23.4 |
県央地区ワースト2 | -14.8 | 20.4 |
県央地区ワースト3 | -13.0 | 20.4 |
湘南地区ワースト1 | -18.5 | 23.4 |
湘南地区ワースト2 | -9.8 | 21.7 |
湘南地区ワースト3 | -9.6 | 18.1 |
※相模原市においては、2009年4月~(8か月)のデータに基づく。
成約単価を下落幅順に並べると、
湘南地区:-10~19%
相模原市:-6~-16%
県央地区:-13~-15%
川崎市:-11~-13%
横浜市:-8%前後
1都3県において、横浜市の下落率は一番低く相場への影響が小さかった。
続いて、在庫件数を見てみる。
川崎市:+39~+42%
横浜市:+36~+38%
県央地区:+20~+23%
湘南地区:+18~+23%
相模原市:+4~+5%
在庫件数の増加率が、川崎市+39~+42%、横浜市+36~+38%と他の3地区(+4~+23%)を大きく上回っているにも関わらず、相場下落はそこまで影響が及ばなかった。