安定政権の終焉が意味するもの
本日(2020年8月28日)午後2時半頃、SNSで安倍首相辞任の一報が流れた。午後5時からの記者会見で正式に発表されるという。理由は、健康上の問題(持病の悪化)。第一次安倍政権(2006/9/26-2007/9/26)時と同様である。
不動産市場は、与党政策による影響が多大である。端的に表現すれば、「圧倒的支持を持つ人気の高いリーダーの下では、大胆な景気刺激策を発動しやすく、資産インフレにつながりやすい」。
逆に、常に支持率にビクビクしているようなリーダーでは、長期的な視点を持てず「投資家からはリクスオフの判断を下される」。期待を集めることができない。期待とは将来に向けた投資である。
大胆な経済政策「アベノミクス」を打ち出し、株価・地価ともに上昇を実現させた安倍政権の終焉は、市場にどのように映るのだろうか。ちなみに本日の株式市場は辞任のニュースが伝わった途端、大きく下げに転じた。
新築マンション販売単価を「44.7%押し上げた」第二次安倍政権
新築マンションの販売単価は、売り出された地域や最寄り駅までのアクセス、超高層などの割合によって上下するもの。それら変動要因は前提の上で、単純に各政権でどれくらい変化したかを振り返ってみた。
上のグラフ、左端は(2003/1)小泉政権「52.7万円/m2」。以下、首相ごとに任期の初月と辞任月の新築マンション販売単価を比べてみた(単位省略、カッコ内は増減率)
■自民党
安倍政権:2006/9/26-2007/9/26 55.1→58.3(△5.8%)
福田政権:2007/9/26-2008/9/24 58.3→62.4(△7.0%)
麻生政権:2008/9/24-2009/9/16 62.4→62.4(0.0%)
■民主党
鳩山政権:2009/9/16-2010/6/8 62.4→64.1(△2.7%)
菅政権:2010/6/8-2011/9/2 64.2→62.4(▲2.8%)
野田政権:2011/9/2-2012/12/26 62.4→63.1(△1.1%)
■自民党
安倍政権:2012/12/26-2020/8/28 63.1→91.3(△44.7%)
民主党与党時代はほぼ変化なし。東日本大震災の影響もあるが、リーマンショックを考慮すれば、自民党はよく偲んだとも取れる。第二次安倍政権は長期に及んだこともあるが、4割以上もの上昇はインパクトのある結果だと思う。
マーケットは敏感
上の写真は、2013年1月「マンションセミナー」会場のビルから撮影したもの。民主党から自民党へ政権交代が行われたひと月後のタイミングだ。午前から降り出した雪は瞬く間に積り、てっきりセミナーイベントは中止になるものと思っていたら、会場は満席。マーケットの変化を肌で感じた。
今日のニュースを聞いて、真っ先に思い出したのが、この画像(FB投稿)。マーケットは思った以上に敏感。コロナよりはるかに影響があるかもしれない。いずれにしても、次期政権の政策次第ではあるが。