2020年7月度、埼玉県「さいたま市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
コロナ禍のマーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 14.0%アップ
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。
7月度のデータは、
・埼玉県:381件(6月: 359件、5月: 202件、4月:223件)
・さいたま市:98件(6月: 86件、5月:44件、4月:45件) となり、
これは昨年同月比で、
・埼玉県:8.9%アップ(6月:-5.8%ダウン、5月:-37.5%ダウン、4月: -40.8%ダウン)
・さいたま市:14.0%アップ(6月:-8.5%ダウン、5月:-43.6%ダウン、4月: -50.0%ダウン)
5か月連続で昨年同月を大幅に下回っていたが、7月度は昨年の実績を大きく上回った。埼玉県において、全てのエリアがプラスに転じ、特にさいたま市が上昇した。また、首都圏全体でみても、神奈川県湘南地区(15.4%アップ)に次ぐ上昇率であった。ちなみに首都圏は -2.4%ダウン(6月は、-11.0%ダウン)である。
成約単価は、前年同月比 -9.4%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
7月度のデータは、
・埼玉県:32.07万円/m2
・さいたま市:41.05万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:1.6%アップ
・さいたま市:-9.4%ダウン
さいたま市は、前月(6月:12.8%)の二ケタ上昇からのマイナスとなり、埼玉県全体では、唯一の減少となった。
在庫件数は、前年同月比 -3.5%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
7月度のデータは、
・埼玉県:4,904件
・さいたま市:1,209件 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:-0.4%ダウン
・さいたま市:-3.5%ダウン
ここでもコロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高131%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では54%もの増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記のさいたま市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
次回は、埼玉県 中央地区をレポートする。
参考サイト
さいたま市 中古マンション築年数(2020年2月度)
埼玉県 さいたま市 中古マンション市場動向(2020年3月度)
埼玉県 さいたま市 中古マンション市場動向(2020年4月度)
埼玉県 さいたま市 中古マンション市場動向(2020年5月度)
埼玉県 さいたま市 中古マンション市場動向(2020年6月度)