前回まで、首都圏全体、1都3県、さらに東京都、埼玉県、千葉県のエリア別、続いて神奈川県 横浜市、川崎市、相模原市、県央地区における中古マンションのステータス別(成約・新規登録・在庫)築年数の推移を確認した。今回は、神奈川県 湘南地区の築年数をみてみよう。
上掲のグラフは、東日本不動産流通機構発表「中古マンションレポート」のなかの湘南地区における「成約、新規登録、在庫」の築年数推移である。
2008年1月以降、各折れ線グラフは増減を繰り返しながらも右肩上がりを継続し、成約と新規登録・在庫はその差が拡大しつつあるようだ。 12年1ヵ月を経て、それぞれの数値の違いをまとめてみる。
成約築年数は、12年1か月で「約8.1年」加算
湘南地区の成約物件の築年数は、2008年1月「14.70年」だったが、2020年2月では「22.83年」になった。12年1か月で、約8.1年加算された。神奈川県は約6.0年だったので、神奈川県に比べ加算ペースが急である。
新規登録築年数は、12年1か月で「約10.1年」加算
湘南地区の新規登録物件の築年数は、2008年1月「16.54年」だったが、2020年2月では「26.66年」になった。12年1か月で、約10.1年加算された。神奈川県は約10.6年だったので、神奈川県に比べ加算ペースがやや穏やかである。
在庫築年数は、12年1か月で「約9.2年」加算
湘南地区の在庫物件の築年数は、2008年1月「16.88年」だったが、2020年2月では「26.12年」になった。12年1か月で、約9.2年加算された。神奈川県も約9.2年だったので、神奈川県と加算ペースが同様である。
成約と新規登録の差は、12年1か月で「約2.0年」加算
成約物件と新規登録物件の築年数の差は、2008年1月「約1.8年」だったが、2020年2月では「約3.8年」に拡大した。12年1か月で、約2.0年加算された。
成約物件と在庫物件の築年数の差は、2008年1月「約2.2年」だったが、2020年2月では「約3.3年」に拡大した。12年1か月で、約1.1年加算された。
成約と新規登録、および成約と在庫の築年数は拡大傾向にあるようだ。
5回にわたり、神奈川県のエリア別に「築年数」の傾向を見てきたが、そのまとめとして、違いをグラフに示してみた。
神奈川県5地区でも、都心に近い「川崎市」の成約築年数が他に比べ加算が小さく、東京都のなかの都心3区や埼玉県の県庁所在地でもあるさいたま市、千葉県 総武地区との特徴に似ている。都市型住宅であるマンションとの相性を実証しているかのようだ。