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都心マンション市場「来た道12年」を振り返る(前編)

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コロナウイルスがもたらす経済への負の影響は、未だ未知数。「感染がおさまれば立ち上がりは早い」といった見方があれば、「実体経済への打撃はまさにこれから」「完全に落ち着くまでに3年はかかる」と様々な意見があるようだ。

不動産市場へは、他よりも遅れてダメージがあらわれる。そんな声も耳にする。ホテルや商業はすでに痛手を被っているから、オフィスや住宅を指して言うものと思われる。

ここでは、リーマンショック前後の「2008年」から「2019年」までの12年間の都心3区マンション市場動向をデータに基づいて確認する。来た道(過去)を学び、今後の予測を行う上で参考にしていただければと思う。

「単価と在庫」を四象限に分割

グラフは、以下のように設定。
X軸:都心3区中古マンション「成約単価」前年同月比
Y軸:都心3区中古マンション「在庫件数」前年同月比
バブル:都心3区中古マンション「成約件数」前年同月比(正が青、負が銀)
データ出典:東日本不動産流通機構

X軸とY軸の選定理由については、こちらのサイト(首都圏マンション市況2)を参照。

ポイントは、マーケットの活況さを示す「成約件数の前年比」を見ながら、相場と在庫の変化が確認できる点である。首都圏の市場をけん引した都心エリアには、マイホーム需要以外の「富裕層の資産形成ニーズ」が大きく影響する。どれだけ相場や在庫が落ち着いても、取引量が増えないようではいずれマーケットは縮小すると考えることができる。

4つの象限ごとの状態を以下のように捉え、当時の市況を振り返ってもらいたい。

各象限の市況は、以下のように判断できる。

2008年「リーマンショック」で起きたこと

2008年は、年初から「在庫件数が前年比100%超え」でスタートしていた。すでに「ミニバブル相場からサブプライム問題(2007年)のダメージを予感」した動きが始まっていたのである。上半期は高水準の在庫増が続き、相場は下落ゾーン「第二象限」の左方向に向かっていった。しかしながら、取引件数は前年プラスを維持していた。

成約単価は前年比マイナス20%超まで落ち込む。在庫の伸びは、年末に向けて落ち着いたが「今出しても売れそうにない」というオーナー心理が背景にあると推察する。

都心3区マンション市場動向(「東日本不動産流通機構」発表データを元にPRエージェンシーが作成)
都心3区マンション市場動向
(「東日本不動産流通機構」発表データを元にPRエージェンシーが作成)

2009年「後半に入り取引量が持ち直す」

前半は、ことごとく成約単価は下落基調であった。が、後半に入って前年比プラスに転じる場面がみえ始める。ポイントは在庫件数がすべての月で前年を下回っている点だ。マイナス30%程度を維持し「在庫がさばけていく様子」がイメージできる。バブルは青色(プラス)が増え(=取引量が戻り)始めた。

都心3区マンション市場動向(「東日本不動産流通機構」発表データを元にPRエージェンシーが作成)
都心3区マンション市場動向
(「東日本不動産流通機構」発表データを元にPRエージェンシーが作成)

2010年のグラフでは、マーケットの立ち直りが明確だ。多くの月で、成約単価は前年比プラスを、取引件数(成約件数)も同様である。在庫件数が伸びつつあるが、バブルの色・サイズからして「需要が堅調」で供給量を吸収していった状況だったと思われる。

都心3区マンション市場動向(「東日本不動産流通機構」発表データを元にPRエージェンシーが作成)
都心3区マンション市場動向
(「東日本不動産流通機構」発表データを元にPRエージェンシーが作成)

リーマンショックから早期回復を見せたマンション市場であったが、2011年には震災の影響を受けた。

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