2020年7月度、埼玉県「中央地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
コロナ禍のマーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 4.5%アップ
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。
7月度のデータは、
・埼玉県:381件(6月: 359件、5月: 202件、4月:223件)
・中央地区:69件(6月: 72件、5月: 39件、4月:41件)となり、
これは昨年同月比で、
・埼玉県:8.9%アップ(6月:-5.8%ダウン、5月:-37.5%ダウン、4月: -40.8%ダウン)
・中央地区:4.5%アップ(6月:-10.0%ダウン、5月:-29.1%ダウン、4月:-28.1%ダウン)
4 か月連続で昨年同月を大幅に下回っていたが、7月度は昨年の実績を上回った。ちなみに首都圏は -2.4%ダウン(6月は、-11.0%ダウン)である。
成約単価は、前年同月比 2.0%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
7月度のデータは、
・埼玉県:32.07万円/m2
・中央地区:39.40万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:1.6%アップ
・中央地区:2.0%アップ
中央地区において、前月(6月:1.2%アップ)、前々月(5月:17.8%アップ)に続き3か月連続で昨年同月を上回った。
在庫件数は、前年同月比 2.4%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、埼玉県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている。
7月度のデータは、
・埼玉県:4,904件
・中央地区:1,140件 となり、
これは昨年同月比では、
・埼玉県:-0.4%ダウン
・中央地区:2.4%アップ
県全体に比べると、増加傾向にあるといえる数値だ。しかしながら、コロナウイルスによる影響か否かはまだ断定できない。というのも、リーマンショック前後では最高117%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約33%の増加が記録されている。引き続き注視していきたい。
下のグラフは、上記の中央地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
次回は、千葉県 総武地区をレポートする。
参考サイト
埼玉県 中央地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
埼玉県 中央地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
埼玉県 中央地区 中古マンション市場動向(2020年4月度)
埼玉県 中央地区 中古マンション市場動向(2020年5月度)
埼玉県 中央地区 中古マンション市場動向(2020年6月度)