2020年3月度、神奈川県「県央地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比-8.2%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・神奈川県: 862件
・県央地区: 67件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-15.7%ダウン
・県央地区:-8.2%ダウン
県央地区も下落。コロナウイルスによる市場の低迷が顕著にあらわれたといえそうだ。ちなみに、東日本大震災直後の2011年3月に前年同月比-5%、その後は-25%を記録した。今回は、すでに震災直後と同等の減少が記録された。さらにその幅が広がるかどうか、注意が必要だ。
成約単価は、前年同月比 9.8%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、県央地区は神奈川県と同じような上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・神奈川県:43.10万円/m2
・県央地区:27.04万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-2.5%ダウン
・県央地区:9.8%アップ
県央地区において、成約単価への影響(下落)は確認できない。逆に二ケタ近い伸びで、神奈川県において最も高い上昇率となった。コロナウイルスによる影響は件数に大きく、相場への影響は今後継続的な注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降で成約件数が前年同月比-14〜-25%を記録したとき、概ね-22%以内の下落であった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。
在庫件数は、前年同月比4.0%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。しかし、県央地区はこの1年で増加が著しい。
なお、直近のデータは、
・神奈川県:11,455件
・県央地区:888件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:1.6%アップ
・県央地区:4.0%アップ
県全体に比べると、増加傾向にあるといえる数値だ。しかしながら、コロナウイルスによる影響か否かはまだ断定できない。ちなみに、東日本大震災後約13%の増加が記録されている。引き続き注視していきたい。
下のグラフは、上記の県央地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあわせたもの。在庫の増加が相場に与える影響を継続的にチェックしていく。
明日は、神奈川県 湘南地区をレポートする。