2020年3月度、神奈川県「相模原市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
成約件数は、前年同月比 3.8%アップ
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしていることがわかる。
なお、直近のデータは、
・神奈川県: 862件
・相模原市: 55件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-15.7%ダウン
・相模原市: 3.8%アップ
県全体では大幅な減少であったが、相模原市においては増加。コロナウイルスによる市場の低迷が注目される中、まだ明確な影響は確認できない。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月に前年同月比-32%を記録した。今後の動きに注意していきたい。

成約単価は、前年同月比-3.0%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。アベノミクス以降、相模原市は神奈川県と同じような上昇率を継続していた様子がうかがえる。
なお、直近のデータは、
・神奈川県:43.10万円/m2
・相模原市:31.13万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-2.5%ダウン
・相模原市:-3.0%ダウン
相模原市においても、成約単価への影響(下落)は、まだ明確には確認できない。コロナウイルスによる相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月以降成約件数が前年同月比-22〜-32%を記録したときでも、概ね-8%以内の下落に留まった。今回は、どの程度でおさまるだろうか。

在庫件数は、前年同月比14.2%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。しかし、この1年で相模原市の増加が著しい。
なお、直近のデータは、
・神奈川県:11,455件
・相模原市: 742件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:1.6%アップ
・相模原市:14.2%アップ
県全体に比べると、明らかな増加傾向にあるといえる数値だ。ちなみに、東日本大震災後は約19%の増加が記録されている。3月の傾向が継続するかどうか、引き続き注視していきたい。

下のグラフは、上記の相模原市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあわせたもの。在庫の増加が相場に与える影響を継続的にチェックしていく。

明日は、神奈川県 県央地区をレポートする。