2020年7月度、神奈川県「川崎市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
コロナ禍のマーケットはどのように変化しているのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -5.0％ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。
7月度のデータは、
・神奈川県：727件（6月: 748件、5月: 407件、4月:390件）
・川崎市：171件（6月: 152件、5月: 118件、4月:93件） となり、
これは昨年同月比で、
・神奈川県：-7.2%ダウン（6月:-15.2%ダウン、5月:-40.2%ダウン、4月: -52.1％ダウン）
・川崎市：-5.0%ダウン（6月:-22.1%ダウン、5月:-24.4%ダウン、4月: -48.6％ダウン）
減少率は4月～６月と比較するとかなり縮小しているが、7月度も昨年同月を下回った。ちなみに首都圏は -2.4％ダウン(6月は、-11.0％ダウン)である。
成約単価は、前年同月比 -0.6%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
7月度のデータは、
・神奈川県：46.02万円/m2
・川崎市：55.08万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県：6.5%アップ
・川崎市：-0.6%ダウン
川崎市においては、3か月連続で昨年同月比がマイナスとなったが成約件数ほどに単価の影響（下落）はまだ確認できない。コロナウイルスによる影響は件数に大きく、相場への影響は今後継続的な注視を要する。
ちなみに、神奈川県全体において、成約単価が昨年同月を下回ったのは、川崎市と相模原市（-3.6%ダウン）であった。
在庫件数は、前年同月比 -6.2%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、川崎市は4年ほど前から著しい増加の傾向にあたっがこの1年で減少傾向になっている。
7月度のデータは、
・神奈川県：11,155件
・川崎市：2,073件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県：-2.1%ダウン
・川崎市：-6.2%ダウン
川崎市は6か月連続で減少。コロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高129%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約47％もの増加が記録されている。引き続き注視していきたい。
下のグラフは、上記の川崎市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の増加が相場に与える影響をチェックしていきたい。
次回は、神奈川県 横浜市をレポートする。
参考サイト
神奈川県 川崎市 中古マンション築年数（2020年2月度）
神奈川県 川崎市 中古マンション市場動向（2020年3月度）
神奈川県 川崎市 中古マンション市場動向（2020年4月度）
神奈川県 川崎市 中古マンション市場動向（2020年5月度）
神奈川県 川崎市 中古マンション市場動向（2020年6月度）