「東日本不動産流通機構」発表『マーケットウォッチ』データから、神奈川県にフォーカスし、10年以上にわたる中古マンション市場の動向をまとめる。本日は、成約件数、成約単価、成約築年数、在庫件数の推移を見る。
神奈川県を5つの地区部分類し、それぞれの数値の違いなどを見てみる。行政区分は以下の通り。尚、2010年3月以前は相模原市は県央地区に含まれる。
・横浜市:グラフは水色
・川崎市:グラフでは橙色
・相模原市:グラフでは灰色
・県央地区(座間市、大和市、綾瀬市、厚木市、海老名市、伊勢原市、秦野市):グラフは黄色
・湘南地区(鎌倉市、逗子市、三浦郡葉山町、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市、横須賀市、三浦市):グラフは青色
神奈川県の市場は、横浜市が半数を占める
下のグラフは「地区別成約件数」累積グラフである。神奈川県の中古マンション市場は、約半分が横浜市を占めていることがわかる。したがって、神奈川県のデータは、ほぼ横浜市のデータ傾向がそのまま浮き出る格好となる。成約件数の総数自体は大きな増減は見られないようだ。

在庫は、横浜市は長期安定、川崎市が増加
下のグラフは在庫件数。横浜市が大きく変動。23区や東部地区の除くさいたま市、千葉県総武地区などに見られた軌道と同じである。最高値は2012年であり、アベノミクス後の高止まり相場よりも震災後の不況がダメージとして大きかったことがうかがえる。

一方、川崎市はアベノミクス後の相場を受けて在庫増のトレンドであった。その点では23区に近い動きを見せている。2019年は在庫が減少しており、台風以後の動向が今後どのように出るか、注視していきたい。
成約単価は、川崎市がけん引
成約単価は、川崎市が最も高水準で維持している。横浜市は県全体と同水準である。その他3地区はあまり大きな変動は見られない。「3.11(東日本大震災)」後、海に面する地域の需要減退が危惧されたが、以前の水準に(相対的にも)戻したように見受けられる。

築年数も、川崎市が低い
築年数も、グラフ上では他4地区が重なり合うのに対して、川崎市は離れて低水準である。直近(2020年1月)16.74年で県平均22.42年よりも5年以上若い。概ね、5年前後新しい物件が占めているといえる。

参考サイト: 中古マンション成約単価、23区の3地区で高値更新(2020年1月度)
参考サイト:2020年1月度埼玉県地区別中古マンション市場動向
参考サイト:2020年1月度「千葉県」地区別中古マンション市場動向