「東日本不動産流通機構」発表『マーケットウォッチ』データから、千葉県にフォーカスし、10年以上にわたる中古マンション市場の動向をまとめる。本日は、成約単価、成約築年数、在庫件数の推移を見る。
相場けん引役は「総武地区」
下のグラフは、千葉県を4つの地区に分類し、成約単価の推移をあらわしたもの。地区別の行政区分は以下の通り。
青色の折れ線:千葉県 総武地区(市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、浦安市、習志野市、八千代市)
黄色の折れ線:千葉県 常磐地区(松戸市、柏市、我孫子市、流山市、野田市)
灰色の折れ線:千葉県 千葉市
赤色の折れ線:千葉県
千葉県内の中古マンション成約単価は、なだらかな右肩上がり。けん引役は「総武地区」である。「常磐地区」が県平均値にほぼ等しく、「千葉市」は大きな変動(上昇)はみられない。「総武地区」が、直近2020年1月度に最高値(38.46万円/m2)を更新しているのに対し、「総武地区」(31.45万円/m2)と「千葉市」(28.61万円/m2)は2019年1月、2月であった。
築年数は徐々に開きが…
築年数は、2008年~2014年あたりまでは地区別で大きな差が見られないが、その後、徐々に「千葉市」が高めに推移。逆に「常磐地区」は下目に飛び出す月が出始めた。
在庫は「3.11後」が高水準だった
在庫件数は、2011年に急増している。これは「3.11(東日本大震災)」による液状化被害等の影響がマンション市場に出たものと思われる。「総武地区」は2013年急減し、2018年までは長らく微減状態にあった。これは23区や埼玉県では見なかった現象である。
「常磐地区」や「千葉市」は、2012年以降安定して推移している。23区やさいたま市が2016年にかけて大きく在庫が膨らんだことを考えると、非常に対照的な現象といえる。
参考サイト: 中古マンション成約単価、23区の3地区で高値更新(2020年1月度)
参考サイト:2020年1月度埼玉県地区別中古マンション市場動向