成約単価、都心3区「上昇トレンド」消える?
下のグラフは、東日本不動産流通機構発表「23区地区別 中古マンション成約単価」推移。長らく続いてきた「都心3区」上昇トレンドが踊り場に入ったようにも見受けられる。が、城西地区や城南地区の動向を見るに、判断にはもうしばらく時間が必要のようだ。相場の強弱とは異なり、成約単価の変動に影響を与える要素に「築年数」がある。

下のグラフは、同「地区別成約築年数」である。単月ではブレがあり、単価に与える影響は小さくないと考える。中長期トレンドでは、さらに下に掲示する在庫ベースの築年数にくらべると上昇が見られず、「築浅ニーズ」が抑制していると推察する。

わずかながら、都心3区の在庫ベースの築年数が直近で下降している様子が伺える。

在庫増、「城西」「城北」が記録更新
下のグラフは、同「在庫件数」推移である。城西地区と城北地区、都心3区が「跳ねた」ように増加。城西地区と城北地区は2008年1月以降で最大値を更新した。ちなみに城西地区は2012年3月以来、城北地区は2018年3月以来の更新となった(赤字部分)。

新築物件の値付けに影響!?
現在新築マンション市場は、「マイホーム需要」「節税(相続)需要」「資産運用の需要」の3つの需要群をどれだけ取り込めるかによって、売れ行きが大きく異なる。すべて取り込める物件は、周辺相場から乖離しても買い手がつく。一方、そうでないものは完売までに時間を要する。
不動産は成約に至らなければ、「相場が不明瞭の状態」ともいえる。新築相場が見えにくくなれば、同じマーケットにある中古物件も影響を受ける可能性がある。