2020年5月度、神奈川県「横浜市」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
アフターコロナのマーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -47.7%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。5月度の数値も大幅に減少しているのがわかる。
5月度のデータは、
・神奈川県:407件(4月は、390件)
・横浜市:172件(4月は、185件)
と、2008年1月以降、最低値を記録した。
昨年同月比で、
・神奈川県:-40.2%ダウン(4月は、-52.1%ダウン)
・横浜市:-47.7%ダウン(4月は、-56.0%ダウン)
前月(4月)より改善されているが、2が月連続の大幅な減少となった。ちなみに首都圏は-38.5%ダウン(4月は、-52.6%ダウン)である。
東日本大震災では、2011年3月以降2か月連続で前年同月比-19~20%を記録したが、前月(3月の-14.5%)に続いてそれらを大きく上回るダウンである。
成約単価は、前年同月比 -4.8%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
5月度のデータは、
・神奈川県:41.02万円/m2
・横浜市:42.04万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:-3.1%ダウン
・横浜市:-4.8%ダウン
横浜市においても、成約件数ほどに単価の影響(下落)はまだ確認できないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に大きく、相場への影響は今後継続的な注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から2か月連続成約件数が前年同月比-19〜-20%を記録したときでも、おおむね-7%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後半年程度、おおむね-5%から-8%であった。
在庫件数は、前年同月比 6.3%アップ
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、神奈川県は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしている様子が見て取れる。
5月度のデータは、
・神奈川県:11,578件
・横浜市:5,969件 となり、
これは昨年同月比では、
・神奈川県:3.5%アップ
・横浜市:6.3%アップ
県全体に比べると、増加傾向にあるといえる数値だ。しかしながら、コロナウイルスによる影響か否かはまだ断定できない。というのも、リーマンショック前後では最高117%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では約33%の増加が記録されている。引き続き注視していきたい。
下のグラフは、上記の横浜市中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあわせたもの。在庫件数の増加が相場に与える影響を継続的にチェックしていく。
次回は、埼玉県 さいたま市をレポートする。
参考サイト
神奈川県 横浜市 中古マンション築年数(2020年2月度)
神奈川県 横浜市 中古マンション市場動向(2020年3月度)
神奈川県 横浜市 中古マンション市場動向(2020年4月度)