200住宅の効用
都内初、*長期優良住宅認定マンション「パークコート六本木ヒルトップ」は、標準的な階高(上階と下階の躯体コンクリート床の間隔)を3.45m確保。これにより、通常は開口部上部(または下部)に出現する梁を隠せる余裕が生まれた。高さ2.55mの真っ平な天井は、比較することのできないくらい伸びやかな住空間を作り出した。
上掲は、そのペントハウス(最上階)。天井高は3m。にもかかわらず、天井埋め込み式カセットエアコンは天井と表面をそろえ、窓上部のカーテンレールは天井際を凹ますことで景色を美しく切り取る、といった徹底ぶり。
(略)
長期優良住宅は「200年長持ちする住宅の普及」をビジョンに掲げ、2009年施行。一戸建てにくらべマンションはまだ棟数が少ない。当該建物のように、ひと目で質の高さがわかる実例が増えることで、その導入が加速されることを願うばかりだ。
注:*長期優良住宅は、耐震性や可変性など9つの基準をクリアした住宅に認定される。天井裏や床下にゆとりを持たせた構造になりやすい。
約3mのハイサッシュ。ペントハウスならではの特別な空間
レンジフードの長さからその天井の高さをご想像いただこう。キッチン吊戸棚の上部は間接照明を。梁の出ない空間は約3mの巨大なハイサッシュを生み出した。バルコニーはガラス手すり。都心の街並みをインテリアの一部して暮らす、とはこのような空間をいうのかも。
港区六本木。南北線「六本木一丁目」駅徒歩3分。繁華街の印象を感じさせない落ち着いた再開発街区の一画。四方道路の恵まれた敷地条件を活かして潤沢な緑を設け、エントランスなど共用部からそれらが存分に楽しめる工夫を施す。地上27階地下2階建て。総戸数270戸。分譲三井不動産レジデンシャル。施工清水建設。2012年竣工。
著書「住み替え、リフォームの参考にしたいマンションの間取り(『都心に住む by SUUMO』 連載企画 【間取りに恋して】再編)」より一部転載