「築年数」で見る市場動向
下のグラフは「都心3区(千代田区・中央区・港区)」における中古マンション市場の成約、在庫、新規登録の段階のそれぞれの平均築年数推移を示したものである(「東日本不動産流通機構」発表)。
2008年1月から2019年11月までの約12年弱の間に、成約物件は4.48年(13.63年→18.11年)、在庫は6.42年(14.45年→20.87年)、新規登録は6.59年(15.56年→22.15年)上昇した。ときに成約が他を上回ることもあるが、概ね成約<在庫<新規登録の並びである。中古マンションは新しいほど決まりやすい、といえそうだ。
「築浅優位」強まる傾向!?
上掲グラフ内の赤い矢印は、2017年頃から新規登録と在庫が上昇角度を増している様子を指し示したものである。一方、成約はそれほどの変化を見せていないようだ。新築分譲マンションは、供給戸数が低位安定化し、堅調な需要をして「慢性的な品薄状態」と言わざるを得ない(下記リンク参照)。その影響が「築浅の中古物件を求める傾向」を強めているではないかとみている。
買い替え前提なら「建物の質」をチェック
資産価値を重視してマンションを選ぶ人は、「立地」にこだわる。最近では「駅近」がわかりやすい指標に。資産価値が落ちにくければ、売却した際、換金率が良いことから次の選択範囲が広がるメリットが得られる。
同様の観点で、中古マンションの「築年数」から見た市場動向を鑑みれば、「できるだけ築浅の物件を買ったほうが有利」と捉えることが出来そうだ。
背景には「耐震基準を満たしているかどうか」「断熱性やセキュリティなど住まいとしての性能や安全性は確保されているか」「管理や修繕は適正に行われているかどうか」など様々なリスクを考慮しての結果と推察する。