2020年5月度、東京都「城南地区」の中古マンション市場動向をレポートする。東日本不動産流通機構発表の「成約件数」「成約単価」「在庫件数」の推移より、マーケットの動向を分析してみたい。
アフターコロナのマーケットはどのように変化したのだろうか。
成約件数は、前年同月比 -24.4%ダウン
下のグラフは、中古マンション成約件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。5月度の数値も大幅に減少しているのがわかる。
5月度のデータは、
・東京都:882件(4月は、812件)
・城南地区:189件(4月は、149件) となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-37.6%ダウン(4月は、-55.3%ダウン)
・城南地区:-24.4%ダウン(4月は、-55.7%ダウン)
2か月連続で大幅な減少となったが、前月(4月)と比較するとかなり盛り返しており、首都圏全体においては、川崎市と同様にもっとも減少が少なかった。
ちなみに首都圏は-38.5%ダウン(4月は、-52.6%ダウン)である。
直近2か月の数値は、東日本大震災で記録した2011年3月から7ヵ月前年同月比-2~-22%を、大きく上回るダウンである。
成約単価は、前年同月比 0.4%アップ
下のグラフは、中古マンション成約単価の推移をあらわしたものである。
5月のデータは、
・東京都:70.57万円/m2
・城南地区:81.58 万円/m2 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:2.5%アップ
・城南地区:0.4%アップ
城南地区において、単価への影響(下落)は、成約件数ほどには出ていないようだ。コロナウイルスによる影響は件数に多大で、相場への影響は今後継続した注視を要する。ちなみに、東日本大震災では、2011年3月から7ヵ月連続で成約件数が前年同月比-2~-22%を記録したときでも、おおむね-8%以内の下落に留まった。また、リーマンショック(2008年9月)後7か月程度は、おおむね-10%から-14%であった。
在庫件数は、前年同月比 -11.1%ダウン
下のグラフは、中古マンション在庫件数の推移をあらわしたものである。見やすさを考慮し、東京都は折れ線グラフで示している。2つのトレンドは、ほぼ同じような動きをしているが、ここ2年では少し差が出てきたようにも見て取れる。
5月のデータは、
・東京都:25,932件
・城南地区:4,537件 となり、
これは昨年同月比では、
・東京都:-4.0%ダウン
・城南地区:-11.1%ダウン
と、首都圏全体においてもっとも減少が大きかった。
城南地区は4か月連続で減少した。コロナウイルスによる増加の影響は確認できない。ちなみに、リーマンショック前後では最高130%増の在庫の積み上げがみられ、東日本大震災では40%弱の増加が記録されている。引き続き注視する必要があるだろう。
下のグラフは、上記の城南地区中古マンション成約単価と在庫件数の推移をあらわしたものである。引き続き、在庫件数の変化が相場に与える影響をチェックしていきたい。
明日は、東京都 城西地区をレポートする。
参考サイト
城南地区 中古マンション築年数(2020年2月度)
東京都 城南地区 中古マンション市場動向(2020年3月度)
東京都 城南地区 中古マンション市場動向(2020年4月度)