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参考になる間取り#18「アトラスヒルズ文京白山」

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「角」に住む利点と宿命

3LDK/78.92m2
3LDK/78.92m2

 今回は「角地に立つマンションの角住戸」を取り上げる。本題に入る前に、触れておくべきことがある。それは、周辺の道路状況について。
 「アトラスヒルズ文京白山」は、敷地の北と西で道路に接している。つまり、北西角住戸の上記間取りにはどちらの開口面にも前立てがない(厳密に言えば、道路を挟んで建物がある)部屋で、条件としては良好。しかも西方向からくる(敷地北側に接する)道路は、交差点より東側、つまり当該敷地部分からその幅員が狭まり、マンションは東方向からくる道路の、なかば正面にそびえ立つポジションとなる。この状況を踏まえた上で、バルコニーの形や窓を観察してみよう。
一般的に鉄筋コンクリートの建物(の一部)をアール状に施工することはコストがかさむといわれている。しかもバルコニーを配さず、景色の抜けを享受できる窓をコーナー部分に用意すれば、眺望のウケはもっと上がったかもしれない。
しかし、肝心の住み心地はどうだろう。バルコニーの配置がプライバシーの配慮を軽減させ、空間的な開放感も高めた。もとより街の景観としてみた場合、角の出っ張った建物は視界を狭め、安全面でも好ましいとは言い難い。
キッチンのシンクは、奥にあることでリビングに届く洗い物の音が軽減されるだろう。カウンターや収納も適切な位置にあって、使いやすさがうかがい知れる。P・P(プライベート・パブリック)分離もしっかりと効き、住むほどに満足感が上がりそう。多角的な視点から小さなグッドアイデアが詰まったひと部屋である。

建物の位置から日常の暮らしをイメージする

自分の居る所に向かって、常に車が走ってくる―おそらくは、そんな状況になろう。視界が抜けるのはいいが、24時間365日途切れない車両の流れは、ストレスにもなりかねない。丸みのあるバルコニーの存在は、程よい緩衝材の役目を果たしてくれるのではないだろうか。

文京区向丘。東京メトロ南北線「本駒込」駅から徒歩2分。都営地下鉄三田線「白山」駅から徒歩4分。本郷通りに面する。白と淡いブルーのツートンカラーが目印。シングルやふたり暮らし向けの間取りが多くを占める。地上15階建て。総戸数91戸。分譲:旭化成ホームズ、施工:安藤建設、設計:三輪設計事務所、2005年竣工。


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「都心に住むby suumo」(リクルートホールディングス)
連載『間取りに恋して』(2012年3月~2018年8月)再編集
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