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中古マンション「築年数の注意点13」まとめ

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 1981年(昭和56年)の建築基準法改正で現在の耐震基準が定められ、「それ以前に設計されたものを旧耐震、以後を新耐震と時代分けされている」。これは多くの方がご存知のことと思いますが、それ以外にもマンションに関連する法の改正や規約の変更(通達)等が多々あり、マンションの建物の質や管理業務に節目があることは(旧・新耐震ほどは)知られていないかもしれません。

歴史を知る意義

 建築基準法は、1950年(昭和25年)に制定されています。1948年(昭和23年)住宅家屋全壊34,000棟超、死者3,769人の被害をもたらした都市直下型地震、震度7(激震)創設のきっかけなる「福井地震」が契機になっています。

 通称「マンション法」と呼ばれる区分所有法は、1962年(昭和37年)制定(施行はその翌年)ですが、分譲マンション第一号「四ツ谷コーポラス」(新宿区)はその6年前、1956年(昭和31年)に販売がすでにはじまっています。

 マンションの管理に目を向けると、いまでは当たり前の長期修繕計画も管理組合の業務として通達が出されたのは1997年です。年間8万戸供給「空前のマンションブーム」に突入したのが1994年ですから、3年後のことです。以来デベロッパーは分譲時に長期修繕計画を販売開始の前に用意することになりました。

 法づくりや改正は事実の後追いであることがわかります。したがって、法整備や規約改定は、「表面化した問題等の対策」の側面が大きいということです。中古マンションの購入を検討する場合、時代背景を知れば、築年数の見方も変わると思います。それは、より納得度の高い判断を導くものではないでしょうか。失敗・後悔の確率を抑制できると思います。

「大崎シティタワーズ」(2009年10月撮影)
本文とは関係ありません。

マンションを取り巻く法令の年表

以下、マンションを取り巻く法整備や規約(通達)を抽出してみました。特に重要と思われるものを太字にしました。13あります。尚、今後当該欄は追記・修正を行う可能性があることをご了承ください。

1962年 区分所有法 制定(専有部・共用部、敷地の権利関係を明確化等)

1981年 建築基準法 改正(①新耐震基準:6月~)

1980年 マンション標準管理規約 策定(当時名称は中高層共同住宅)

1983年 区分所有法 改正(②管理組合の設立義務化、③集会での多数決主義、建て替え制度、敷地利用権と専有部の一体化・登記事務軽減)

1994年 建築基準法 改正(住宅の地階を容積率不算入・床全体の1/3上限)

1995年 耐震改修促進法 制定(阪神淡路大震災を受けて)

1997年 建築時基準法 改正(共同住宅廊下等容積率不算入)

1997年 マンション標準管理規約 通達(③長期修繕計画を管理組合業務に、駐車場利用・④リフォームの使用規定を追加等)

2000年 住宅の品質確保促進法(品確法:⑤売主に10年間瑕疵担保責任義務化、⑥住宅性能表示制度、負担の低い⑦紛争処理機関の設置

2002年 区分所有法 改正(買取請求権の整備、建て替え決議要件の緩和、団地内建物の建て替え承認決議の創設)

2002年 都市再生特別措置法

2002年 マンションの建替え円滑化法(法人化・建替え組合、権利変換制度、要除却認定マンション、マンション敷地売却制度)

2002年 建築基準法:再開発促進区(容積率等の制限緩和、S63創設「再開発地区計画」とH2創設「住宅地高度利用地区計画」を統合)

2003年 建築基準法 改正(⑧24時間換気の義務化、ホルムアルデヒド規制等)

2004年 マンション標準管理規約 通達(管理組合業務として⑨設計図書の管理、⑩修繕情報履歴の管理、コミュニティ形成、未納管理費の請求に関する規定の充実等)

2006年 住生活基本法 制定(「⑪量から質へ」住宅政策を変換)

2008年 長期優良住宅法 制定(2009年施行)

2009年 ⑫瑕疵担保履行法(耐震偽造問題を受けて)

2011年 都市再生特別措置法 改正(特定都市再生緊急整備地域の創設等)

2013年 耐震改修促進法 改正(東日本大震災を受けて、不特定多数が利用する大規模な建物は耐震診断を義務化・公表、⑬マンションの耐震改修決議緩和2/3→半数

2013年 相続税 改正(公布)

2014年 建築基準法 改正(エレベーター部分容積率不算入)

2016年 都市再生特別措置法 改正(国際競争力・防災都市強化、コンパクトで賑わいのある街づくり、住宅団地の再生)

六本木ヒルズレジデンス
「六本木ヒルズレジデンス」
本文とは関係ありません。

十数年でレンタブル比が改善

 上記年表で、レンタブル比の改善に気付かれた方も多いのではないでしょうか。レンタブル比とは、延床面積に対する専有面積の割合です。共同住宅廊下やエレベータ―が容積率算入面積から外れることで、容積率算入延床面積に対する「賃貸や分譲の対象となる」専有面積の割合(レンタブル比)が好転します。

 集合住宅を普及しやすく。上記年表を眺めていると、そんな大きな流れがあるようにも見受けられます。

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